カンティフェアでランチ


 いつもは早朝に出発するのだが昨日は少しゆっくりしすぎて清里に着いたのはAM11時ごろになってしまった。案の定メイン会場から遠い位置の駐車場に誘導され、ウシのウンチが散らばる牧草地を歩いて賑やかな会場へ向かった。
清泉寮前の広場には例年のようにクラフトや農産物そして飲食のブースがたくさん並んでいて、まるでドコカの市場のように様々ないい匂いが混ざり合っている。ハラが減っていたので地元婦人会のようなおねーさま方が出店しているブースで早速蕎麦を頂いた。

 フツーは一味唐辛子や七味なのだが、カウンターテーブルに見慣れないモノがあったので訊いてみると“生唐辛子を刻んだもの”なのだそうだ。辛いには辛いのだが、乾燥した粉末に比べて非常に香りが宜しい。
ソレにしても美味い蕎麦だった。麺の色がやや緑色がかっていて“新蕎麦”であるコトはスグに判るのだが、やはり甘みと香りが数段高い上に打ちたて茹でたてというココならではのサービスは高原の冷気と相まって心地よいのである。
運営に携わっている男性は「温暖化の影響なのか蕎麦の収穫時期が年々早まっていて、こんな時期に提供できるようになってしまった」と苦笑いともつかないフクザツな表情で話してくれた。
ウ〜ム、確かに待ちわびた新蕎麦を早く食べられるのはうれしいコトなのだが、蕎麦の収穫地帯地図が塗り替わってしまうのではないか…と心配にもなってしまうのね。

 さ〜て胃袋も温まったコトだし、去年食べたフィリピンバナナのソフトクリームでも食べよう♪と、清泉寮売店に向かった。
ところが今年は例の黄色いポスターが見当たらないのね…。で、よく見ると今年は違うソフトクリームにチャレンジしたようなのだ。
カモミールのソフトクリーム”、リラックス効果がウリのカモミールをソフトに入れてしまおうという大胆な発想はどうやら大成功だったようである。
 もともとこの清泉寮のソフトクリームはジャージーミルクを使用しているためサッパリとしていながらもコクのある味がヨカッタのだが、ソコに加わったハーブがまたいい感じにブレンドされていて、ベタつきのない爽やかさがイカにも清里っぽいのだ。

牧草カーゴに乗せてもらえるコーナーはチビッコに大人気。奉仕活動で疲れてしまったガールスカウトのコドモたちも、ちょっとココで一休み。



 やはり畜産が盛んな土地だけにアチコチでスペアリブのローストやソーセージのグリルなどが販売されていて、ドコのものを買って食べようかと迷ってしまう。
そんなのかで一際目を惹いたのがトルコ料理の“ドネルケバブ”だ。屑肉を塊にして串刺しにし回転ローストさせては、そぎ切りをして食す…というアレである。
様々な肉が使われるがココでは上段に鶏肉、下段に牛肉がセットされ焼かれていた。身長2mはあろうかという巨大なトルコ人男性が電動バリカンのような道具でチリトリ状の受け皿に肉をそぎ切りしているのを見るのはジツに楽しく、またヨダレが止まらなくなってしまったのでボクはソレをピタパンにサンドしたファーストフードを購入するコトにしたのだ。

 どのブースも長蛇の列でかなりガマン強く並ばなければならないが、普段食べられないモノはこうして手に入れるしかないのね。
ポークスペアリブのローストとビーフのショートリブロースのグリルも併せて買い、予めキープしておいたテーブルベンチでランチタイムの始まりなのだ。
骨付きの肉はよく味がシミていて本当に美味しい。ローストやグリルするときのチャコールの香りがしっかり馴染んでいて、ソトで食べる食事が一層印象テキなものとして脳裏に刻みこまれる。
 もちろんドネルケバブも素晴らしいお味だ。フェンネルコリアンダーといった香辛料の清々しさにチリペッパーのストレートな辛さもプラスさせて「ビールだよ!ビール!」とココロのウラ側の悪魔が叫び続ける状態になるのね〜

 ゴゴイチのお楽しみは「とんとんレース」と呼ばれる仔ブタのダービーだ。
背中にマジックインキで番号が書き込まれた仔ブタたちを抽選で当たったコドモがジョッキーとしてコースを追いたてるという単純なレースなのだが、コレが見ていてナカナカにユカイなのである。
相手はヤンチャな仔ブタでなかなかヒトが思った通りに動いてくれないし、中にはスタート地点から動こうとしない変わりブタもいて「ヒトの世界もブタの世界も似たようなものなのね〜」などとミョーに感心してしまったりもするのだ。


“とんとんレース”で笑い転げそろそろ会場を後にしようと駐車場に向かおうとすると、ひっそりと隅のほうで「乳搾り体験」をやっていた。
ハデなイベントではないが、このコにとっては貴重な想い出になるだろうし、なにより農畜産業をカラダで体験できるコトの素晴らしさをもっと多くの人が心得るべきだと思う。
 アトでメリーマックの石原氏から聞くコトにもなるのだが、昔はもっと手作りの遊具で会場を埋めては素朴な遊びと体験を来場者にしてもらっていたのだと云う。
フード関連の出店もこの地域の食材を使用するというコトが条件になっていたのだが、いつのまにかそうした縛りは解けてフツーのお祭りテキなイベントに変化しつつある…というのがちょっと引っかかってくるのね。


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