アブナイところだった。ハイソ系スーパーで見つけて購入してあったのだが、チルドルームに入れっ放しでウッカリ忘れていたのよ。
消費期限はこの日まで…加熱するなら問題はないのだろうが、やっぱりナマで食べたいしね。
すっかりココロの準備もなかったので生食するトキの様々な薬味やタレは常備品以外にはない。ソレでもこんなリッパな牡蠣ならヨケーな細工は逆に不要だろうし、新鮮なモノは海水の塩っ気だけで食す方がその旨みと香りをしっかり受け止めるコトが出来るというものだ。
一粒選りの大粒モノだけあって輸送中の身崩れを防止するためかこんな工夫がしてあった。ウラ返すと大きさに合わせるように仕切りがされ、キレイに殻から外されたカキが繭の中で大切に育てられるかのようなパッケージだ。
封を切るとアノ香りがパーンと立ち昇り、思わずその一つをツマミ喰いしてしまった。
いや〜ん!おいしい〜♪
宮城県での牡蠣養殖の歴史は意外に古く、江戸時代の末期には既に開始されていたという。当初は天然稚貝を散布する方法が採られていたがその後数度の改良が加えられるコトになる。
現在は“延縄式垂下養殖”といった方式で比較的外洋においても生育が可能な高効率化が図られているようだ。
もっとも生産量はやはり広島が全国生産量の59%を占める2万トンであるのに対し、宮城県は第二位でシェア14%の5千トンと大きく水をあけられてはいる。
地形が複雑に入り組んだ松島湾ではカキの生育に必要な栄養も豊富でこのように特にふっくらと肥えた牡蠣が育まれているが、こうして“もちかき”などと差別化して出荷するモノは通常の育成期間よりさらに長い時間をかけ、育成中にも特別な工夫をして大粒に仕立て上げている。
もちろんそうした“松島のカキ”をアピールするために地元では「かき丼」を名物としてクローズアップしたり、毎年「松島かき祭り」などを催してはその振興に努力を怠ってはいない。
こんなに美味しくて栄養たっぷりなカキなのに、全国テキにその購買量が減少傾向にあるというのはいったいどういうコトなのだろうか。食料の自給率の数値向上も大切ではあるが、魚介を上手に摂取し生活に楽しみをプラスしてゆく教育にもチカラを入れなければならないのではないか…そんな思いを抱いてしまった昨晩なのである。
◆松島名物「かき丼」
http://www.matsushima-kanko.com/PDF/kakidon.pdf
◆松島“かき祭り”(2009.2.7〜8)
http://www.matsushima-kanko.com/PDF/kakimatsuri.pdf