よくあるヤツなんだけど『角切ビーフステーキ丼』 

肉片を結着してステーキ用の肉のように加工してあるモノもあるが、コレはより細かい…と云うよりほとんど粗挽きミンチを結着ブロックにして切り出したもの…よくあるアレなのである。

 解凍するとドリップが流れ出て崩れやすく冷凍のまま調理加工を始める。成分は脂身が多く盛大に脂肪分が流れ出て飛び跳ね、レンジ周りはタイヘンなコトになってしまう…という困った状況にはペーパーで吸い取りながら加熱するという対処で逃げ切るしかない。
焼き過ぎると縮んでミジメな角切ステーキになってしまうので相当なシンケーを払わないと美味しい料理にならないというマコトに以って厄介な食材でもある。
 焼きあがり直前にヤキニクのたれをジュ〜ッと回しかけ煮詰めるようにカラメると甘辛な風味がシミてツマミ喰いは1つ2つでは済まないし、片手にはすでにプルトップが空けられた缶ビールが…。全部食べてしまいたいヨクボーをグッと堪え、ドンブリにゴハンと千切キャベツそしてビーフを乗せて料理は完成する。

 ビミョーな食感はハンバーグに近いが、香辛料やパン粉などのツナギは入っていないのでお味の方はしっかりオージービーフしているのね。
ホントはフライパンの油の海の中で調理するよりアミ焼してやった方がこの食材の長所を活かしてやれるのだろうが、家庭の厨房ではソレこそトンでもないコトになってしまうので、暖かくなってから屋外で催すバーベキューなどの時までお楽しみとして残しておこうとは思っているのよ。
 桜の咲く時期にもなれば温暖な静岡ではアチコチで炭火とニクの焼ける香りが野に漂うシーンに遭遇するワケであるが、ヌケ目のないビールメーカーはもうこんな新製品を投入しては人々を「早く早くっ!」とアオっているのだな。