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夕食が始まる時刻は迫っていたが、不思議と焦りはなかった
あと数百メートルも歩けばホテルに着くと云う道順が頭に入っていたからだ
通りの建物の入り口一つ一つで立ち止まり慈しむように眺めるボクは
なんて間の抜けた旅人に見られていたのかと、思い出しては可笑しくなる


1997.06.04. @ウイーン
CONTAX TVS Carl Zeiss Vario Sonnar T*28-56mm