メバチ鮪のカマ焼


先月末に収穫した梅はツボの中で水分を排出し、いよいよ紫蘇との共演の時間は迫ってきたのだ。
農民市場に行くと新鮮な赤紫蘇が並べられていて一把¥150という激安価格なのであった。ボクは3把ほど購入し実家の母君のもとへ届けるワケだが、なんとなくコトの成り行きで紫蘇の葉の選別・切り取り作業を手伝うハメになってしまった。
毎年実の収穫をするだけでアトは母君任せ、そして完成した梅干しをただ喰うだけなのでたまにはこうしてシンポジウムに参加するのも罪滅ぼしとなってよいではないか。


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目撥鮪(メバチマグロ)は目がパッチリしているから“めばち”と呼ばれるのである。いや冗談ではなくホントーの話だ。
フツーのマグロに比べ海の中では光が届きにくい深い層を回遊するので知覚器官としての眼が発達したのだろう。実物を見ても大きな瞳がカワイらしく缶詰やその他の加工品などに用いられているイラストはこのメバチちゃんがモデルで、いわゆる“マグロらしい絵になる”魚体なのだな。


我が国で流通するマグロは概ね5種類ほどだがメバチは比較的安価なので店頭にも一番多く並ぶ。近年は漁獲量が減少傾向にありIUCNレッドリストVUという絶滅危惧種になっている事実には少々驚いている。近隣某大国の経済発展とともにその消費量の増大も影響しているのだろう、食卓からメバチが消えてしまうのは寂しいので是非とも仲良くやって上手に供給してもらいたいものだ。
さてそのメバチの大カマを入手した。カチコチの冷凍貯蔵品だが、ぬるま湯で解凍してやるのが最も適した方法だと寿司屋の知人から聞いたので近年はその通りにジッコーしている。確かにドリップの滲出量も少なく滑らかで豊かなマグロの風味は、言われなければ「生だよ〜」と偽られても気づかないかも知れない。
ニンニクと生姜を仕込んだ醤油ダレに30分ほど漬け込み、オーヴンでじっくり焼いてやる。脂ののった濃厚な身肉はカマならではのものでサイコーなのだよ。
こんな日はいつものビールはちょいと控えに回っていただいて、やっぱりヌル燗の日本酒かな…。ただしいくら酒が旨くてもセーブしないと“オミアシ”の健康状態に響いてしまうのには気を遣うのである。





オニユリのブランコ

Afternoon, July 07. 2009 @MyGarden