-富士宮支部- 焼きたて屋の秋限定『さつま芋あん』


秋ともなればソレらしい食材が次々登場してくる。夏の間スクスク育ったサツマイモはたっぷりと甘みを貯え、いよいよこの時ぞとばかりにスイーツ界にやってくるワケだ。
栗も当然その横綱格として重要ではあるものの、サツマイモの庶民テキなフェイスとテクニックにはどんな美女もコロリとハマる誘因力を持っている。焼イモ、芋ようかん、スイートポテト…テを変え品を代えてはオンナ心にきゅ〜っとネジ込んでくる甘い囁きは、C調エロおやぢも学ぶべき部分は多く「秋のコマシはイモに限るぜ!」などとワケの解らない定理に一人合点するのである。
隣町のマイミクさんから「美味いらしい」という情報が寄せられたのは少し前のコトだが、たい焼不毛地帯でもありもう全て制覇し尽くしたと思っていたこの岳南地区にまだたい焼を販売するお店があったのだ。
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元々は地元の八百屋一軒からスタートしたその小売店は高度成長期に驚異テキな伸長を遂げ、静岡県の中東部に数十の店舗を展開する大スーパーチェーンとなったが、バブル崩壊と中国進出失敗のダブルパンチで敢え無く倒産。新進気鋭の流通最大手グループが買い取っていくつかの店舗を改装しては営業をしている。その一店舗にテナントとして入っているのがこの“焼きたて屋”さんだ。


まだ二十代とおぼしきオニイちゃんがお店を切り盛りしていた。次々と訪れる客の注文を捌き接客もナカナカに丁寧にできている。ボクが行ったのは午後のアイドルタイムだがメンドくさがらずに焼き溜めせず少量づつ焼き上げている姿は、どーんと焼き積み上げてはタバコなんぞをふてぶてしく吸っている個人屋台のオヤジに見せてやりたいくらいだ。
購入したのはカスタード以外の三種類、さつま芋あんは絶対にハズせない。小豆の粒あんは香りが良く、甘さもカリふわ系の皮とのバランスが抜群で美味しいものだったが期待していた“カマンベールチーズ”はカスタードにクリームチーズをチョビ混ぜしました…みたいなカンジでイマひとつなのであった。
しかしこの“さつま芋あん”は若干甘味は強いものの芋のピュアな味がしっかり詰め込まれていて高い評価をしていいだろう。ミョーなでんぷんなどの混ぜものを極力控えてあるらしく、目をつぶって食せば極上の焼イモ中心部分だけを味わっているのではないかと錯覚さえする。


栗あんや粒栗入り小豆あんのような高級感はないが季節感はたっぷり盛り込まれている。レギュラー商品が一尾¥110なのに対しこの限定商品は¥130とプレミアム性が強調されており「次の限定品はナニがでてくるのか」というお楽しみにもつながっている。


焼きたて屋
http://www.yakitateya.com/

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