(156) 期待の韓流スター『韓国製レトルトカレー』

神戸のがいくつかのレトルトカレーを持たせてくれた。コレは彼が韓国へアソビに行った際の土産で、レトルトカレーと云えば国産あるいはインド製とキメてかかっていたボクには新鮮なオドロキなのであった。
考えてもみれば我が国と同様の経済水準に達した韓国の人々なら当然カレーライスも食すであろうし、ソコに自国製のレトルト製品が登場してもフシギではない。ただ単にボクらが知らなかっただけのコトなのである。


パッケージの写真にはドッサリと盛りつけられたフルーツカレーが旨そうなツヤを放っている。ハングルしか表記されていないのでかろうじて判別できるのは“HACCP”の文字から安全な衛生管理がなされた工場で生産されている証明や、“3”は「調理時間は3分でオッケーよん」だろうし、“2”は「二番目の辛さ、つまりやや甘口ですからねー」というコトくらいだろうか。
バナナやリンゴ、もしかしたらマンゴーなんかも入っているかも知れない。角切りビーフや青味のブロッコリーまで入っていて、ちょっと今まで食したコトのないレトルトカレーが楽しめるのね〜♪と期待の韓流スターに食事の準備も気合いを込める。


ところが…なのである。パックを開封ゴハンの上に流れ出てきたものは給食のカレーみたいなヤツなのだ。
角切りのジャガイモやニンジンがいくつか見えるだけで、肉片のようなものはあまりに少量過ぎてルウの中に埋没している。パッケージ写真通りなのはルウの色くらいのもので「やられたゼ!」なのである。
思わずの顔が浮かんだ。コノヤロー… と言ってもの責任ではない。日韓友好に水を射すインチキ商品をヘーキなカオして販売するアコギな韓国商人もいるものなのだなぁ〜 とアキラメてカレーを食してみた。
う〜ん、そんなにマズいワケではないのだがスパイシーさにも欠けるし、シャビシャビのスープにカレー粉をケチって入れてはコーンスターチでトロミをつけましたーみたいな味で、コレならガッコー給食のカレーの方がまだマシだぜ!とだんだんコーフンしてきてしまった。


バケの皮がハガレた期待の韓流スターは一気に“裏切りの悪徳商人”に変身し「へっへっダンナぁ、アッシらもコレがショーバイなんニダ」とニヤリと金歯を光らせつつパッケージをひっくり返して裏面を見せてよこした。
オマエなぁ、ハングルばかりで読めないじゃん…ん?ナニか図解されてるなぁ…と思いよく見ると、ソコにはナニやら“正しい本製品の利用方法”みたいなカンジのイラストと文字が記載されているではないか。想像力を最大限に活用してその意味を解いて行くしかない。ふむふむ…
1は「封を切らずに熱湯で三分間温めてください」だな。解ってるよー
2は「フルーツやヤサイなどお好みの具を添えたライスに温めた本製品をかけてください」だろう。
ウ〜ム、ちょっとヤバい展開だ。
で、最後は「そのまま電子レンジで2分間(700W)加熱してお召し上がりください」かな…。お決まりの「トビハネ、ヤケドに注意してください」みたいな文言も添えられているようだが、もーそんなコトはどーでもいーのだよ。
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そうか、コレはカレー料理用のベースにするためのレトルトだったのね。きっとタイトルには「お手軽カンタン!おうちでトロピカルカレー」などといったイミのハングルが踊っているのだろう。
韓国商人はけっしてアコギなのではなかったのだ。コトバの読めない異国民のカッテな思い込み…あぁ、ハンセーなのである。