十割蕎麦と『鴨テツ』

今年はなんだかルノー静岡さんに行く用が多かったような気がする…って“気がする”じゃなくって実際多かったんだな。春先のメガーヌ君車検に始まりいろいろ紆余曲折を経てトドメはカングーちゃんの車検だ。いや、もういちど行かなくてはならない。メガーヌ君のヘッドライトバルブの交換作業ね、こいつがあったんだよな。
そんなルノー静岡さんは静岡市内南部の石田街道沿いで近くにはガッコーの教科書にも載っている登呂遺跡がある。街道を走りその遺跡入口の案内標識がメに入ってくると必ず混雑している一軒の蕎麦屋さんがあるのだよ。なかなかに評判も宜しいようなのでいちど入ってみたい…常々思っていたお店だ。

この日もやはりお店の駐車場はいっぱいだったのだけれど、運よく一台分だけスペースが空いていたので急ぎカングーちゃん代車の真っ赤な国産車をネジ込んだ。やったね!やっとココで食事が出来るんだ。
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店内外ともにシブい建築物でまるで古民家を移築したような佇まいである。囲炉裏を囲むように置かれた椅子席やテーブル席もあるけれどやはりメインはその高い天井とクラシックな照明のある座敷だろうな。かなり照度は低いけれど風情があって一興、と思っていたらその一番奥のカドにある丸い卓袱台のような席に案内された。ホントは店内の配置や様子をフォトにしたいのだが他のお客さんもたくさんいらっしゃるしカメラを向けるのは憚られるカンジ、印象テキな天井部分しか撮影出来なかったのが残念なのだよ。まあ取材じゃないんだしね、蕎麦をいただくのが目的なんだからいいんだけど。

メニューブックを開くとごく一般テキなものからオリジナルまで揃っているのは他の老舗と変わらない。ただ店舗看板に“そば酒房”と謳っているだけあって日本酒や焼酎の品揃えは特筆に値する。クルマで行ったランチなのでご法度なのは仕方がないにしても、これだけのカモをみすみすやり過ごすのはなんとも惜しい。
そんなわけで鴨なのである…って、つまらないおやぢギャグはいい加減にして鴨料理を選んだのは大正解だった。それは『鴨テツ』というまるで粋な江戸下町酒肴のようなナマエを冠されたひと品、サブタイトルは「てっぱん!鴨ステーキ」となっている。こりゃ頼まないテはないぜ!てなもんだ。
間もなく運ばれてきたソレはナゴヤ名物“鉄板ナポリタン”と同様にシュウシュウと心地良い音がかすかに聞こえてくる料理だった。そこに円筒状の紙をハメ込み特製ソースをかければジャ〜ッ!という悩ましい音の洪水に変化し素晴らしい香りを周囲に発散するシカケになっていた。気になる油ハネや汁の飛び散りはそのペーパーウォールのおかげでブロックされ、キレイな服を着てきた女性や幼いコドモにも安全なパフォーマンスとなっている。
特製ソースとはバルサミコベースのオニオン醤油、こいつがたまらなく鴨肉の旨味をプッシュする。美味い!たまんなく美味い!ザックリと粗く笹切りにされた根深ネギがいいシゴトをしてるじゃないか。

鴨と蕎麦っていえばたいていは『鴨南蛮』か『鴨せいろ』なんだけど、こーゆーのもアリだよね。いや〜、酒が飲れないのが本当に無念だ。まあいつも宿泊する静岡駅南口のホテルからならタクシーを飛ばしてもさほどな距離ではないから近いうちのスケジュールに組み込んでもいいかな。
ところで肝心な蕎麦である。このお店は“無農薬・有機栽培の十割そば”を売り物にしているわけなんだけど、考えてみればこのところ食していたのは一般的な二八蕎麦(蕎麦粉8に対して小麦粉2という黄金比で作られた蕎麦)ばかりで、蕎麦粉100%はジツに久しぶりなものなのであった。運ばれてきた蕎麦はやや緑がかっている…つまりこの時期ならば今年の秋獲れたての蕎麦粉を使った“新蕎麦”か!?と期待は否が応でも盛り上がったのであるが、食してみると香りだけイマイチ…う〜ん、ちょっとねえ…なのである。舌触り喉越しは申し分ないし蕎麦ツユのお味も上品であっただけにヨケーに点数が辛くなったかも知れない。まあそうした減点を考慮してもお店のフンイキや鴨ステーキのアドヴァンテージは偉大なのであって、もう一度訪問しては酒席を設けたいというキモチに変わりはないのだな。


そば半 登呂本店
静岡市駿河区登呂6丁目2-1
TEL=054-286-6333
ACT=11:00-14:30 / 17:00-21:30 火曜定休(ランチのみ営業)


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帰路の東静岡駅近くの南幹線…静岡市中心部とと清水区をつなげる重要な道路…にパチンコ屋の新店舗が建設中なのであった
ガウディーの建築にインスパイアでもされた建築デザインを採用したのかな、でもこれってすんごくカネかかってんだよね
どんだけ儲かってるんだい…