■ 噂のにゃごやモーニング その17 「 珈琲 池田屋 」
モーニングの聖地・一宮でプレミアムな『キューブトースト』
池田屋と聞けば真っ先に思い浮かべるのは「池田屋事件」である。幕末の1863年、尊王攘夷派の長州・土佐藩の志士たちが京都三条木屋町の宿・池田屋に潜伏していたところを江戸幕府の用心棒・近藤勇率いる新選組が急襲…というところからこの事件は始まる。
それにしても有名な坂本龍馬っていったいナニモノだったんでしょうねぇ…ボクとしては箸にも棒にもかからない程度のオトコとしてしか評価してないんですけど。何故にこれ程までの重要人物として歴史上に残っているのか全く理解できません。
次に思い浮かべるのは「池田屋カバン店」なのね。う~む、ローカルな話題でしょうか…でも1950年に静岡県の旧清水市で創業した老舗の鞄製造販売店なのですよ。一般的なカバンはもちろんですが、多機能でタイプも豊富な高級ランドセルが有名で銀座にもお店を出しています。
ボクは大学生のころ一度だけ静岡呉服町店で布製肩掛けバッグを購入した記憶があります。当時はそんなブランドショップとは知らずに、気軽に安価なものを選んだりしたんだけど、今になって思えばけっこー笑えますね。
さて今回は「珈琲 池田屋」です。モーニングの聖地・愛知県一宮市の中でもピカイチと評されるこのお店は何と言っても『キューブトースト』が有名なのよね。それはレギュラーの(ドリンク代金だけでいただける)モーニングサービスではなく、プラス¥280するスペシャルなセットなのだけれども、この内容で¥280に収めているところは素晴らしいではありませんか。
こんなインパクトのあるボリューム感からボクの大キライな”インスタ映え”ってコトバを以って巷では人気があるらしいけれど、そーゆー感覚と目的でこのお料理を語って欲しくないなあと思うのですよ。
某事情で開店の8時には間に合わず少し遅れて到着してしまったので席は半分以上が埋まっていました。ちょっとヤバかったけど、まあなんとか好みの席に。そしてその『キューブトースト』を使ったモーニングサービスメニューは何種類かあったのですが、ボクは「はちみつバター」ってのをお願いしたのですな。
事前にある程度の情報収集はしてありましたが、実物をメの前にするとサスガにスゴいものがありますねえ!
ポテトサラダ、スクランブルエッグ、コーヒーゼリーの入ったスフレ容器、コーンスープのミニカップがぐるりと取り囲むキューブトースト。そのトーストの内側はくり抜かれ、たっぷりのハチミツとバニラアイス、そしてうず高く盛られたホイップクリーム! あぁため息が出るくらい魅惑に満ちたひと皿ではありませんか。
この『キューブトースト』は確かに美味しい。朝からまるでスイーツのように甘くて濃いお味のものを食していいものだろうか…と思うけれど、やはり美味いものは美味いのであって構いはしないのである。そう、きっとカラダが欲しているのですよ。
肝心のコーヒーはマシンで淹れたものなのだろうか、苦み寄りのバランスで酸味や香りはそう強くない。そして余韻も少な目なので、純粋にコーヒーを楽しむと云うよりは、このモーニングサービスの場合はキューブトーストを中心にした食の方にウェイトが置かれているようなのですね。ただコーヒーカップは自店銘の入ったもので見た目だけではなく、軽くてなかなかに扱いやすいカップなのでありました。
このお店のコーヒーは¥420なので¥280のスペシャルを付加すると、ちょうど¥700という結構なものとなるのね。この出費をどう捉えるかは食すヒト自身の問題ではあるけれど、必要な栄養の補給とか空腹を満たすだけのモーニングサービスならば「ちょっとねえ…う~ん」なのでしょうな。けれども休日の少し遅めなブランチに…ということであれば「こんなプレミアムな朝食もたまにはいいよねぇ~」と思います。
◆珈琲 池田屋
http://delicious.msas.jp/ikedaya.html
愛知県一宮市観音寺2丁目3?10
TEL=0586-44-0227
ACT=8:00-17:00 無休
■ 長嶋山 妙興報恩禅寺
一般名称は妙興寺ですが、正式には長嶋山(ちょうとうさん)妙興報恩禅寺となります。
なんとな~く行ってみたお寺ですが、そのスゴさに驚きました。それもそのはず、創建は鎌倉時代の貞和4年(1348年)臨済宗妙心寺派の古刹、そして「尾張の正倉院」と呼ばれるくらい国の重要文化財や県の指定文化財・史跡の数々…知る人ぞ知る名刹なのでありました。
お寺の入口には先ず総門。一般道から長いエントランスを経て「総門」に至るわけですが、主柱の上下を金具に似せた木製装飾にしてあります。文様もオリジナリティーに溢れ見入ってしまいました。一宮市指定文化財です。
続いて「勅使門」です。文和二年(1353年)後光厳天皇の勅額を有し、創建当初来の遺構として唯一の存在という。国の重要文化財。
ようやく三つ目の門「三門」に至るわけですが、ここから佛殿を望むことができます。どちらも重厚かつ壮大な建築物であるし、その構造の複雑さも見ものでしょう。一宮市の指定文化財。
苔むした土塁も渋いものですし「十梅」は貞治六年(1367年)に寄進されたもので古木の霊験を感じさせるものですね。
境内各所では苔が美しく、また終わりの季節を迎えた牡丹が詫び寂を感じさせます。
禅堂に至る道に鐘楼があります。内部の梵鐘と共に愛知県の指定文化財になっています。右フォトは禅堂入口の土間。
板塀の引き戸をくぐると禅堂石庭がメに飛び込んできました。清掃も隅々まで行き届いていてサスガに修行の地だけのことはあります。
ちょうど春のお彼岸で法要が営まれておりました。渡り廊下に魚形の鍾板が吊り下げられていましたが、これも相当に古そうなものですね。
一番奥に在る客殿とその鍾板です。使い込まれ中央部が窪んでいますが、その生々しい木目地が現在進行形であることを証明しています。
妙興寺三十三観音。上品下生の印を結ぶ阿弥陀如来を中心に三十三観音が四列に並んでいます。桜田門の変が起きた万延元年(1860年)の年号がバックに彫られていました。
仏殿ほか十六棟と境内全てが一宮市の指定文化財になっている妙興寺、ほんとうに愛知県一宮ってスゴいところなんですね。今回は内部の仏像や図画などは拝観しませんでしたが、とにかく覚えきれないくらいの文化財に溢れる寺院のようです。
雨天の静寂さと落ち着きを堪能した妙興寺でしたが、間もなくやってくる桜の季節そして秋の紅葉と見せ場はたくさんあるようですね。機会があればぜひ内部に保管されている文化財も拝見したいものです。
MINOLTA M-ROKKOR 2/40, M-ROKKOR 2.8/28, Ernst Leits M-ROKKOR 4/90 @ SONY α7