朝獲りシラスの握り

とんかつ・五郎十の帰り道、せっかく清水まで来たんだから…とエスパルス・ドリームプラザの食品コーナーに立ち寄ると、素晴らしいシラスがあるではないか。

シラス漁の主な港は由比・用宗・吉田の三つだが、コレは吉田で水揚げされたものらしい。距離的には由比が一番近いがその日の漁模様によってはこんなコトもあるのかもしれない。
いずれにしてもピンと尾も立っていてジツにみずみずしく輝いている。とんかつで重たくなった胃袋を抱えての買い物はちょっとキツかったし、何よりサッパリしたものを夕食に…と考えていたのでメインは魚と決めていたのだ。
だがシラスのパックは大きなものばかりで「食べたいんだけどもねぇ…」と少人数の家族にはオーバーサイズなものばかり、ん〜残念だがと諦めかけたところに寿司コーナーに救いのテが現れる。
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軍艦巻…コレほどシラスにうってつけの寿司もないだろう。寿司飯の丼にして生シラスをたっぷり…というのも悪くないが、バックリ貪るのはお昼ゴハン向けであるし、特にこの日は“少量でサッパリ美味しい&酒のつまみにもグー♪”がキーワード、握り寿司のパックをご選択というのは必然テキ行為なのだ。

鰹や生鮪も旨かったが、シラス以上に感銘を受けたのが金目鯛の握りだ。そう沢山食べるものでもないので一人1カン、もう少し食べたかった気もするが脂も乗って極ウマ状態のキンメはフラッシュのように鮮烈で印象的な味覚の記憶を綴ってくれた。
まぁこんなトキくらいとっておきの日本酒を楽しもうではないか。萬壽・久保田…繊細でありながら力強い麹のチカラ、華美にすぎない豊かな芳香。
酸味と旨みのバランスはサスガ銘酒とよばれる一種凄みのようなものさえ感じる酒だ。もうやめよう…と思ってもついテがでてしまい、断腸の思いで杯を伏せるコトになるのだ。

久保田君に別れを告げ、ボルドーの美女と楽しいヒトトキを。
シャトー・ラタピイ2003
ACボルドー/赤FB
明るく輝く美しい赤、メルローが76%という比率がもたらすステキな画材なのだろうか。ウッディな香りにスパイシーさとブラックベリー&チェリーのエッセンスも加わるような絢爛たる様相。
なめらかなタンニンが美女の肌自慢のようにクリームを想起させるワイン。アキテーヌ・コンクールで金賞を得た美貌に思わずみとれてしまうのよ。