お正月は「カニ」なのだ

残念ながら年末に手に入れられなかった活きガニだが、ソノ替わりにズ太いタラバガニの脚を購入してきた。

　店頭では“浜茹で”などと札が貼られてはいるその冷凍カニはアラスカの海の上でスチームと急速冷凍をかけられたタラバガニだろう。近海で漁獲されたものなどがこんな値段で販売されるハズもなく、食料自給率悪化の片棒を担いでいるコトに若干の後ろめたさを感じつつ、ガップリと磯の香りをほうばる姿を想像してはニヤリとしてしまうボクなのね。
大晦日はニクだったので元旦は海鮮という単純な図式で夕食タイムに突入し、普段は飲まない…というより飲めない…ホンモノのビールでプハ〜ッ！っと飲りつつ口中にカニの旨みを充満させるコトのヨロコビは至上のものなのである。
　こうして暖かな部屋で冷たいビールなどと共にヘラヘラ楽しんでいる我々ではあるが、実際は厳冬の北海域と同様にかなりヤバい状態になっているカニ漁業なのだ。
昨年はロシア船の入港規制も実施され、ただでさえ資源量が減少しているカニ類は異常な高騰が予測されたが、経済状況の不調も影響したのか意外に安値で取引されている。
一説ではロシア政府が発表している日本への輸出量の10倍近くが実際の日本市場に出回っているという。そのカラクリは「密輸」という手口で市場原理が遂行されているコト、および北朝鮮の暗躍も囁かれるクラ〜いカニ・コネクションなのだ。
　ホントはそんな悲しい運命を背負ったカニではなく明るく健全な地元のカニを堪能したかったワケなのであるが、静岡から一歩も出ずに「活きガニよこせーっ！」といくら大声をハリ上げても、なんか“負けイヌの遠吠え”みたいなカンジがするのでもうやめたのよ。