シメてシメてもビールは外せない『富士宮焼そば』

先月は少し贅沢が過ぎた。正月に始まり新年会やら“街歩き”と称した喰いまくりツアー…鏡に映した我が身の姿にハンセーなのである。

 「もう暫くの間はスーパーへ買い物に出かけない」と宣言し、冷蔵庫や冷凍庫に備蓄され過ぎた食材の消費に努めるのだ。な〜んて、いつも同じようなコトを言ってるような気もしないでもないが、経済テキなモンダイは脇に置いておいてもフィジカルトラブルは避けたいのでジッコーするしかないのね。
キャベツが半分残っていて蒸し麺があればもう“焼そば”をやるしかないではないか。おハコの富士宮焼そばに不可欠な“肉かす”や“ミカチャン”そして“イワシ削り粉”は常備してあるので心配しなくてもよいが、ウッカリ切らしていたのはソースなのである。
 いつもはワサビ印ウスターを愛用している当家は前回の焼そばのトキに使い切ってしまい、補充をすっかり忘れていたのだな。仕方無い、フツーのカゴメウスターに神戸のオリバー「焼そばソース・関西」を混ぜて代用してみた。
「ウ〜ムたいして変わらないじゃん♪」というより、そう!ジツに美味いのである。コダワっていたつもりのソースはさほどな影響力を持ってはおらず、ソレ以外のファクターが“富士宮焼そば”たる構成要素の大半を占めていたというジジツが証明されてしまった格好だ。
もちろん食べ比べればいつものソースに軍配があがるのだろうが、楽しめる…という点においては、あまり神経質にならずともよろしいというお告げなのかもしれない。

 パチンとスパイスを効かせた焼そばにはビールは欠かせない。普段はヘルシー系ビールに甘んじてはいるが、タマには変わったモノも飲んでみたくなるというのが酒好きの哀しい性なのであって、先日静岡の成城石井でこんなモノを見つけたボクは迷わずカゴに入れてしまったのだな。
 18世紀の英国…いわゆる「大航海時代」というヤツだ…では過酷な長期航海に耐えられる高アルコール濃度のビールが醸造されていた。ホップをふんだんに使った苦みの強さは“インディア・ペール・エール”と呼ばれる保存性の高いビールの特徴で、一度飲めばその“悪魔の味”の奴隷となってしまうと言われている。
確かにキョーレツなビターが食べる物の味をすべて覆いつくしてしまうような趣もあるが、油を多用した料理などにはモッテコイのビールだろう。アルコール濃度は本製品の場合は7%でパンチもアトからズシリと効いてくる。
 製造元が軽井沢というのには少し驚いたものの、ビール造りに欠かせない気候風土のマッチングと水質の良さがそうした選択を必要としたのかもしれない。各地で地ビールは製造されているが、その土地でしか成し得ないテイストに出会うと本当に嬉しくなるものなのである。


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