朝ごはんを食べたら“永遠の永遠の永遠”へ

前夜はホテルのブッフェですっかり食べまくり&飲みまくりしてしまったエロおやぢでも朝がくればハラがへるのである。以前に一度宿泊したことのあるJR静岡駅南口にごく近いこの某ホテルは…そう、とってもいいホテルなのでヒトには教えたくないのよ…朝食ブッフェがなかなかに結構なものなのである。
感心するのは静岡特産のシラスや桜海老を使ったメニューが並んでいることだけでなく、お茶…きちんとした緑茶のことね…がかなり上等なものが用意されていることなのである。

しかも緑茶だけで三種類、深蒸し系や棒茶など好みに応じて茶葉をチョイスでき、セルフでストレーナつきの湯呑みにセットしていただくシクミになっているのね。ボクなどは自宅でけっこーグレードの高い緑茶を日常テキに飲用しているので特に(スゴい!)みたいなカンドーはないけれども、ヨソの土地から来た方々にとってはこの一杯に満足を覚えるに違いない。それにしても自宅にいるような安心感があって心地良いのだ。
そしてレギュラーコーヒーが朝食後にホテルの部屋に戻っても飲めるように…と云うことでテイクアウトが許されているのが素晴らしい。ちゃんと厚地遮熱のペーパーカップとフタも用意されていて(ここは本当に利用者のキモチをくんでいてくれてるのねぇ)とリピート意欲満々になってしまうのだ。

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お天気も良いようなので遠方からやってきた友人と共に静岡県立美術館に行ってみることにする。ここはロダンの彫刻作品群がウリで「地獄の門」をはじめ「考える人」や「カレーの市民」といった美術の教科書に出てくるような作品ばかりでなく彼自身とその友人や同時代の芸術家たちの作品を堪能することが出来てベンキョーになるのよね。
たいてい同時に開催されている企画展があって今回はナニをやっているのか知らずに向かったエロばかおやぢであるが、到着してみるとナニやらものすごい衝撃テキな案内にぶつかってしまったのよ。

学生時代に現代美術に触れることの多かったボクは草間彌生の名は知ってはいたものの、その作品は全く知らなかったし単にパフォーマンスやインスタレイションに於ける“ハプニングの女王”としての存在でしかなかった。
ところがこうしてニッポン各地だけでなく世界各国で平面作品やオブジェの作品が発表展示されている作家であるとは思いもよらず、またその内容が高く評価されていることも知らなくてちょっと恥ずかしいキモチになってしまった。

今回の作品展もただ展示室にその作品が並べられているだけでなく美術館全体が“YAYOI KUSAMA WARLD”!…もう全くスゴい世界になっていた。

彼女がコーポレイトしている水玉模様がオブジェにもたっぷりフィーチャーされていて、現代美術というとなんだか敷居が高そうに感じるけれども彼女の作品は愛に満ちていて多くの来館者がこのキノコのような不思議なカタチのオブジェの前で楽しそうに記念撮影などしている姿を多くメにすると(あぁいいねぇ、みんなをシアワセにしてくれるチカラがあるんだよな)と思えてくる。
そしていざ美術館の扉をくぐれば吹き抜けになっているエントランスフロアいっぱいにそびえ立つ「ヤヨイちゃん」の姿…圧倒されるそのパワーにそれまでキャアキャア騒いでいた校外学習小学生大集団もイッキに鎮静化しているではないか。
作品は実際に見に行っていただくか彼女のホームページまたは今回の展覧会公式ホームページでご覧になっていただこう。やたらにその作品をこうしたウェブサイトに掲載するのは著作権の侵害になるばかりでなく、アーティストの真意や思想をきちんと伝えられない可能性が大きいからね。
面白かったのは先程「美術館全体が“YAYOI KUSAMA WARLD”になっている”と書いたけれど、ここまで徹底しているのは今まで経験したことがない。

“チューリップに愛をこめて、永遠に祈る”という作品ではルームの壁面天井床面にも同様な水玉があしらわれていて「壁面も作品の一部です。触らないでください。」というような注意書きが掲示されていたし、館内のカフェや美術館入口の自動ドアそして竹林のある中庭を望む通路のガラスにまで赤い水玉…と徹底したインスタレイションが施されている。
レストランの特別メニューにも「草間彌生スペシャル」みたいなシグネイチャーセットメニューがあって、食いしん坊のエロおやぢはたっぷりどっぷり浸ってみたかったのだけれど、前夜に似たような洋食メニュー…しかもブッフェでさんざん食べて…だったので惜しくも断念、別の食事を求めて美術館をアトにするのであった。
でもなんだかシアワセなキモチね…草間彌生さんの作品には永遠の愛がたっぷり詰め込まれているからなのか。今思い起こしてみても愛や性の悦楽と共に生命やココロのの永遠性が彼女の思想なのかな…と思える。悲観、憂慮、懐疑、怒り、憎悪、後悔といったパッシブなファクタを全く含まない純粋さがそうした後味に繋がっているのだろうか。


草間彌生 公式ホームページ
http://www.yayoi-kusama.jp/

永遠の永遠の永遠(DIGITAL朝日新聞サイト)
YAYOI KUSAMA Eternity of Eternal Eternity
http://www.asahi.com/kusama/




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