『やきそば』@いつものところ

「いつものところで焼きそばを食べて来た」わけなんだけど、その“いつものところ”ってのはお店のナマエであってボクがいつも行くところではなく、ウワサにゃ聞いてはいたけど行ったことがなかったお店なのよね。

まあ静岡弁テキに申し上げると「ナリはオゾいんだけどさ“いつもんとこ”ってのがかなり美味いずらよってハナシはよ〜く耳にすんの。だもんでさ、ボクも思い切って行ってみることにしただよね」くらいのカンジか。
その日も暑かった。気温は30℃をラクラク超えていて、もうお家でメシなんか作ってられねんだよ!てなことで急ぎメガーヌ君を走らせるアフタヌーンなわけだ。到着してみればそのまんまの店名が店舗正面上部にドッカ〜ンとペイントされている。う〜む、ココがウワサのアレかい…
お店の入口左側に厨房があってオバちゃんが一人忙しそうに調理している。ボクが入っていったのにも気づかない様子なので「いいですか〜?」と尋ねると「あ〜いらしゃい!」と明るく応えてくれたのでちょっとホッとしたのね。いや〜案外このテのお店って気を遣わなければならないケースも多くて、様子をキチンと知るまでは礼儀正しい客である必要があるのだ。
キホン的には駄菓子屋さん兼軽食提供のお店…つまり“富士宮やきそば”の原点とも言えるスタイルがここに継承されているわけなのだな。

お盆の真っ最中でガッコーはお休みなのでコドモの姿こそなかったけれど、一歩お店の中に足を踏み入れればそこが彼らの根城である理由が明白に伝わってくる。雑然と置かれた駄菓子や玩具菓子はハコのままだったり散乱していたりはするけれど、その混沌とした様子がまたコドモ向けの駄菓子屋たるヴィジュアルそのまんまなのであって、近年流行りの昭和レトロを無理矢理復刻させた居酒屋の作り物テキなバレバレ感は全く存在しない。高度経済成長期に育ってきた我々でしか肌で知覚することの出来ない空気が厳然と存在するのよ。

そして客席…と言っていいのだろうか…である小上がり席にまた驚くエロおやぢ。四畳半くらいのタタミ敷がお店の奥に在るのだけれど、コミック…あぁつい書いてしまったなあ最近のコトバで。ボクらの世代では“マンガ本”だよな…や文庫本が本箱や床に散乱していて、そこには小さなテーブルが三つと座布団がいくつか置いてあった。テーブルは実際に使用できるのは二つだけでひとつは物置化して死んでいるではないか。
水はポットに入れてあってセルフ、コップや湯のみは部屋に置いてある洗いカゴからカッテに出して使えばよいみたい。テーブルには割り箸と七味唐辛子のみ…というシンプルなんだかズボラなんだかよくワカんない世界だ。

まあコドモがガッコー帰りに寄ってここできゃあきゃあワアワア騒ぎながら飲み食いするとこなんだからね、仕方ないじゃないのよ。そんなことより初心者としては先ずスタンダードな『やきそば』を注文してそのおチカラを拝見しようではないか。
待っている間にメニューを眺めていたら意外にその提供品目が多いのにびっくりした。オモテにはやきそばを始めお好み焼きやその他聞いたことのない料理名が書いてあるが、ウラ面はかき氷専用スペースになっている。
間もなく運ばれてきた『やきそば』はちょっとショックというかメからウロコというか、コトバにならないカンドーがこみ上げて来るのを感じた。すごい!うそでしょ…これで¥300!?
キャベツは富士宮やきそばの伝統=荒い細切り、ニクとイカもちゃんと入っているしオリジナルっぽいお味のソースはマイルドで刺激が少なくてとても食べやすい。だし粉の風味がいいのはこのお店の客回転のよさを物語るものか、いやはや恐れ入りました。紅ショウガでなくてミカチャンだったらカンペキなのにね…などと言ってはいけませんよ。
富士宮やきそば学会の例のオレンジ色の幟は掲げていないけれど、そんなもんこのお店には必要ないでしょ。とにかく美味い!そして別メニューも征服してみたくなったエロおやぢはこのあと何度かアシを運ぶことになるのであった。


いつものところ
静岡県富士宮市小泉1172-8
TEL=0544-25-1515
ACT=10:00-18:00 水曜定休




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今朝の富士山
先週からずっと不安定な空模様なのは南の台風のせいかな


6:28AM, October 06. 2013. @Fujinomiya-City