厳しい寒波が列島を覆っていた18日、知人が突然他界した。今年の梅雨ごろからおシゴトをご一緒させていただいていた方である。
帰宅途中で異変に気づき自ら救急車を呼んだらしいが間に合わなかったと云う。ボクはちょうどその一時間ぐらい前にシゴトの連絡打ち合わせで彼に電話をして会話をしたのだから直後のことだったようだ、今でもその時の声が耳から離れないでいる。まさに信じられない…という表現しか思い浮かばない。その会社の事務所に行けばひょっこりいつもの笑顔で現れるような気がするくらい。
温厚な人柄で誰からも慕われる素晴らしい方だった。享年49歳、まだまだこれからという時なのに神様は不公平だ。謹んでご冥福をお祈り申し上げたい。
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昨晩その通夜を済ませちょっとキモチが落ち着いたのでこの駄文日記も再開なのであるが、シゴトもなんだか虚しくってヤル気が起きないのはボクだけでなく同僚も一緒だと言ってくれたのにはホッとしたものだ。だけどこの虚脱感、どうにかならないものかな。
それにしても寒い。早朝はもちろんだが昨日なんて日中も氷雨みたいなやつに襲われてエロおやぢも散々なのである。出勤時の気温もまたまた記録更新でマイナス5℃、メガーヌ君のフロントガラスには花のような霜がキラキラ輝くアサなのであった。
そんな2014師走、先週の土曜日に忘年会を計画していた…といっても二人っきりラブラブ忘年会なんだけどね。ところが刻々と迫る約束の時刻なのにシゴトが終わらないのよ、困った挙句とうとう喧騒と混乱の現場から電話をしてベツの場所で待っているようにお願いしての遅延行為をしてしまった。
無事にランデブー出来たのは約束の時刻の三時間後、目的地に到着して暖簾をくぐったのはオーダーストップ30分前の11:30だ。それでもこのお店のスタッフはイヤな顔ひとつせずにキモチよく料理を提供してくれたのだよ。
以前にお邪魔したことのあるココは“静岡の旬が味わえる居酒屋で…”という日記エントリーでご紹介させていただいたことのある「カンカン酒場本店」さんである。
閉店間際だったので店外に設置されている“本日のお品書き”黒板は入り口に置かれていたけれど、ちょうど座った席からよ〜く見える場所なので都合がよかったのよ。ただねえ、間もなくオーダーストップだから注文は一発オールで完結させないといけないのだな、テメーが招いたこととは言えちょっと忙しいしアセる。
とりあへずのビールで「お疲れ様〜っ!」をしていると『蒸し鶏の和え物』がお通しとして供された。ドコにでもある味だしお家でも作れるものなんだけど、やっぱりプロフェッショナルが作ったものはなんだかちょっと違っていてとても美味しく感じる。
注文は黒板メニュー中心にすることにした。そりゃそうだよね、旬の一番美味しいものがズラリと並んでいるんだからさ、ソコからチョイスするのがツウってもんよ。
水温もグッと下がって旨味も蓄積され始めた浜名湖アサリ、そいつを『酒蒸し』にしたものは前回に続き今回もまた注文してしまった。アサリそのものも大変結構なものではあるけれど、やはりこのダシが堪らない。ソウメンとかねウドンなどをシメに突っ込んで喰いたいと思ったのも前回同様なのである。
シシャモは当然北海道産の本シシャモ…って本〇〇なんて言い方は本来おかしいのであってシシャモとはこいつのことでコレ以外はシシャモではないのだな。まあそんな説教はドッチでもよくて、やはりホンモノは美味い。近似した姿カタチのお魚もマズいわけではないけれど、こいつは旨味と香りが全然違う。
同行者は以前に“青葉おでん横丁”で食した“静岡おでん”、特にその中でもお気に入りとなった『黒はんぺんのおでん』を注文した。あ〜ホッとする庶民の味だよな、美味い。サバ・イワシの“だし粉”と青海苔粉をかけて食すスタイルも新鮮らしくとても美味しそうに食べてくれるのがボクも嬉しいのだよ。
鮮度のよいスルメイカを丸ごと一杯焼いたものもちょ〜美味い。一味唐辛子マヨネーズがまたイナタいお味を演出してくれる。ゲソをカミカミしているとなんだか日本酒が欲しくなってきた。訊けばまだオーダーは間に合うと云う、そりゃソッコーで注文さ。
お店の女性スタッフねーちゃんはカワイイ上に注ぎ方が上手くて気に入った。マスにたっぷりコボしてくれて軽くコップ1.5杯分ほどの「萩錦・特別本醸造」が注がれる。いいねえ、時間があれば何杯でも追加したい。
そしてそんな日本酒にピッタリの肴、そいつが当日のメインとしてニラんだ刺し身なのだな。黒板に書いてあった由比漁港水揚げの「ヤガラ」そして御前崎漁港の「イサキ」を盛り合わせにしてもらったのだ。
「ヤガラ」は白身の淡白で上品な身肉で知られるだけに椀ダネが一般テキなのだけれど、こうして刺し身で食すのは初めてのエロおやぢなのよね。弾力のある舌触りと気品を感じる旨味がたまらない。タイやヒラメが白身魚のお刺身の代表格だけど、希少な「ヤガラ」は侮れない実力の持ち主だと思う。もっと喰いたかったなあ。
そして「イサキ」はよく夏が旬と言われてはいるけれど、ボクは逆に冬場のイサキのほうが脂の質が向上していて旨く感じる。こちらもプリプリと弾力のある歯ごたえに軽い脂をサラリと纏っていてジツに美味。静岡県産おろしワサビの助演にも納得の一瞬なのである。シツコいようだがもっと喰いたかったなあ。
お店を出たのは日も変わって午前0時20分、シゴトをガサガサ終わらせて遅れた上に慌ただしく開催された深夜忘年会だったけど、なんだかエロおやぢテキにはけっこー楽しかった。同行者にはとっても気の毒させちゃったけどね。
◆海鮮炉ばた焼 カンカン酒場 静岡本店
静岡県静岡市駿河区南町2-2
TEL=054-284-4199
ACT=17:00 - 24:00 日曜定休
今朝の富士山はほんのりピンクの夜明け