でらうみゃ~でかなわんわ(43)

いちどは喰いたい”名古屋めし” 其の七

元祖『天むすび』の多香野

ゴヤ出張生活も5カ月を超え、まあソレナリにいろいろな名物を食した。所謂「名古屋めし」と呼ばれるものも、そのほとんどは食したかなぁ…『ひつまぶし』はいいお店が意外に宿舎の近くだったり(これは未発表だけど)、偶然出会った老舗の『きしめん』、町の歴史を推古してズバリ当てた『味噌煮込みうどん』など思い起こすとなかなかに面白いものがある。

ところがですね、こいつを未だ食していなかったんですねぇ『天むす』。

今ではドコでも売ってますよね、静岡でもスーパーなんぞでメにすることもありますし。けれどもナゴヤ名物としてキチンとしたものを食してみたい!という願いもありまして、いちおーネット検索リサーチをするわけです。
元祖の有名店としては「千寿」さんが有名で発祥の三重県津市からナゴヤに進出しているけれど、後発の同業他社が全国展開している中で「千寿」さんは地元のみの販売にコダワっているところはエラいと思いますよ。

さてボクが選んだお店はタイトル通り「元祖『天むすび』の多香野」さんです。
えぇっ?元祖は千寿さんじゃないのかい?ってね、仰る通りです。『天むす』は商標登録されている商品名でその元祖が千寿さん、『天むすび』は多香野さんが元祖…ってことなのですな。
まあ食べるほうにしてみれば美味けりゃドッチでもかまわんがや~てなもんです。

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昔はイートインもあったようですが現在は店頭販売のみ。住宅地の一角に在る(しかも手前が細長い駐車スペース)なので見つけにくいお店ですが、バッチリと幟旗も立っていますから見逃すことはないでしょう。
店主殿はとても気さくなかたで、初見参のボクにアレコレと話しかけてくれます。店頭では待ち客のために甘酒が無料でふるまわれていました。なかなかにサービス精神も旺盛で待ち時間も楽しく過ごすことが出来ます。

いや~作りたての『天むすび』はとっても美味しかったですよ。ジャストスタンダードなお味、好きだなぁこちらの『天むすび』。
でもねぇ、フォトではなんだか食べかけみたいな様子だし、主役の『天むすび』より手前の『みたらし団子』や御守りみたいなもののほうが目立つのは何故?ってね、そのワケは後程。


元祖 天むすびの多香野(本店)
名古屋市瑞穂区駒場町3丁目 8-4
TEL=052-853-0808
ACT=11:00-15:00 月曜祝日定休




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名古屋大観音 金龍寺

天むすびの多香野さんにほど近く、同じ瑞穂区内に金龍寺さんと云う高野山真言宗のお寺を地図上で見つけた。どんなお寺なのか事前リサーチは全く無しで行ってみることにしたのよね。
それでも腰掛ける場所くらいあるでしょ、お天気もよくて暖かい日和ですからソコで件の『天むすび』でもいただきましょうかという不純なモクテキで行ってみようとしたってのもありますけれど、な~にまたこれがまた見つからなくて見つからなくて…確かに名古屋市立大学のキャンパスに隣接してるはずなんだけど、ソレらしいものがないのよ。クルマのナビゲーションシステムは「目的地に到着しました」なんて告げてカッテに終了しちゃってるけど、ユーザーは未だそれを認識してないんだぜ、バカヤロ。
一方通行の周辺道路をグルグルした挙句、ようやく見つけました。住宅街の中ですがちゃんと駐車場もあります。フツーの家屋ほどの大きさの山門をくぐり手水や仏像群を見ながら進むと、やはりフツーの家のような入口の本堂がありました。

しかしその引き戸を開けて中に入ったエロおやぢは「あっ!」と息を呑むのであります。

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サスガに真言密教の寺院ですな、高濃度の教義と慈愛がギュッと押し詰められたように凝縮した空間が見るものを圧倒する。そしてその中央に鎮座しておられるのがご本尊さまの「十一面観世音菩薩」なのであります。
シツレーな言い方ではありますが、街なかの小さな寺院にこのような巨大仏像があるとは誰も想像できないでしょう、凄いものです。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

奈良の長谷寺を護り千古の時を経た大楠木、これを用いて制作されたこの像は高さ7.6m、光背(仏さまの光明を視覚化した装飾で仏像の後背についているもの)は11mを超える高さがあるという。
支配的ではないし威圧感とも違う。しかし現実と至上の世界と繋げ諭し誘う(いざなう)ような力量感に満ちている。素晴らしい。


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本堂内には諸仏や曼荼羅、五鈷杵(ごこしょ)と呼ばれる密教の法具などが所狭しと並べられ、煩悩に満ちたこの世から解脱するための時空が拡がっています。


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境内にも諸仏とお地蔵さまやいくつかの境内社もあり、空襲で焼失してしまったこの金龍寺さん本来の姿が如何程なものであったか…と想像するしかないのが残念なのね。


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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

そして山門の両脇にはお約束の仁王像。所謂「阿吽」なのでしょうけれど、荒々しく彫られたその表情と姿はチカラ強くそして頼りがいのあるものですね。


高野山真言宗 名古屋大観音 金龍寺
http://www.nagoya-kinryuji.com/
愛知県名古屋市瑞穂区亀城町5丁目31
TEL=052-881-5261


そんな金龍寺さんでしたので、図々しく持ち込みの『天むすび』をそこでいただくなんて憚られるわけですな。ただハラもへったし移動してからってのもナニなので、駐車場に停めたクルマの中で食していたわけです。
いただいた御朱印やこのお寺にしかない「にぎり観音」(美しい錦のオリジナル袋に納められた粗彫りの観音さま)を眺めながら多香野さんの美味しい『天むすび』をモグモグしていると、ご住職の奥様が急ぎやってきて
「近所でお祭りがありまして『みたらし団子』をいただいたものですから、よろしければどうぞ」
とボクに手渡して下さったのですよ。
有難いことです、素晴らしいものを参拝させていただいた上に、こんなお土産までいただいて…本当に感謝いたしました。