謹 賀 新 年
明けましておめでとうございます
本年も宜しくお願い申し上げます
令和五年元旦
Art-Foods
■ 元祖 鯛めし
昨年末のお墓参りのあとで高齢の…違う!う~ん、とんでもねー誤変換じゃねえか…恒例のだよ恒例、ええ恒例の年末年始食材の購入を清水のちょいハイソ系スーパーで済ませたわけです。本当は以前のようにどこかのレストランで食事をしお買い物はデパ地下に出征したかったのですが、昨年末に来て急激に疫病が再び蔓延の兆しを見せており、また静岡県内の感染者数も高いレベルで推移していることから見送りにしました。
そのスーパーのお弁当コーナーはとても充実していてCPの高い物や高価であるけれど高品質なものなど消費者がそのおサイフ状況・生活レベル・嗜好・気分・忖度・医学的見地・流行・見栄・健康志向・喫食量などを十二分に鑑みることが出来るような品揃えが為されておりまして、母上と「弁当を買って帰りお家でゆっくり安心していただこう」ということなりました。
ええ、ジツはこの東海軒さんの元祖「鯛めし」をチャンスがあれば…とかねがね思っていたので、イチもニもなくカゴに入れるわけです。スーパーの自家製弁当のほかに駅弁の老舗・東海軒さんのものもいくつか並べてあり、以前に食したその「幕内弁当」が極めて優秀であることは承知しておりましたけれど、やはり同社の看板商品のひとつである元祖「鯛めし」を押さえないわけにはゆかないのですな。
ちょいとレトロな雰囲気を漂わせる掛け紙をめくると、そこには拍子抜けするほどのシンプルさが際立つ " 鯛めし " が現れます。鯛そぼろ以外は薄切りのタクアンがふた切添えられているだけ…おそらくニッポンで一番シンプルなお弁当でしょう。
甘く優しいお味に調製された鯛そぼろは明治時代に静岡で起きた大火をキッカケに考案され、徳川家康も好物だったという興津鯛(駿河湾奥で漁獲される甘鯛)を炊き上げた伝統の逸品なのですな。いや~美味い。その味は三日間もかけて製造するテマヒマのかかったもので、ふわりとクチどけのよい食感と繊細な品性が同居する傑作なのです。あぁコレにしてよかった…何度でも味わいたい静岡の駅弁です。
エロおやぢも含め皆さん年末年始は華美なお食事に浸っているとは思いますけれど、ぜひこうした " 素朴なものが持つ心 " を忘れない一年にしたいと思い、元旦の駄文日記の題材にいたしました。