カルボナーラ

クワトロフロマージュ

なかなかヤルじゃないか冷凍食品

美味いんですよコレが。たかが冷凍食品でしょ?なんてバカにしちゃあいけません、調理過程から全てをブラインドにしておいてコレを食したら、いったいどれだけのヒトが冷凍食品であることを言い当てられるかな…ってくらいに思ってます。

Asahi Opt. Super-Takumar 1.4/50 (8-Elements)   SONY α7

パッケージには「4種チーズのカルボナーラ」とタイトルされています。賽是利屋など庶民派イタリアンならそーゆー表記になるんでしょうけどね、ちょっと気取ったお店だと「カルボナーラ クワトロフロマージュ」なんてよくわかんねーけどありがたや~みたいなことになるのでしょうな。

「ふわとろ…」じゃありませんよ「くわとろ…」ですから。で、そのクワトロって何?ですよね、ヨコ文字表記すると quattro です、イタリア語で「4つの」って意味でして発音はクァットロ(最後の”ロ”は舌を上顎に接触させてブルブルさせるアレです)が一番近いかな。
ん~じゃあ「フロマージュ」は?ですよね…これはフランス語でチーズの事です。あれ?イタリア語とフランス語の合体かい…いやいや仰るとおりでござんす、カンペキに和製外国語でやんす。イタリア語で通すなら「クァットロ フォルマッジ」、フランス語なら「キャトル フロマージュ」となるのかな(たぶん)。まあニッポンじゃこれで通ってるんだからヨシとしておきましょう。

冷凍食品が美味いと言っておきながら正式な『カルボナーラ』の作り方を持ち出すのもナニですが、パンチェッタ(なければフツーのベーコンで代用可)をソテーし、香りが出たら生クリームをドバっと投入し、少し煮詰めたところにパルミジャーノレッジャーノのおろしたものをたっぷり加え、溶けてネバリが出てきたら火からおろし、卵黄を加えて手早く攪拌し乳化させ、そこに茹で上げパスタを加えてタタッとあえて完成…てなところですか。
そのチーズ投入のパートでパルミジャーノだけでなく、例えばゴルゴンゾーラとかモッツァレッラやペコリーノなど、まあ何でもいいから4種類のチーズを決勝戦に持ち込めばいいのである。豊かで複雑な味そして香りが拡がり、ひと味違うカルボナーラソースになるのよ。
そーゆー意味ではこの冷凍食品はよくやってると思います。ソース製造作業の内容を簡単に述べましたけれど、温度やタイミングを計るのがけっこー難しくてトーシローにはちょっと高い壁かも知れないからね、そこをサラッとスルーできるところがミニマリスト。お手軽かつ失敗のない完成品として、ヤボ用に追われる休日に有難い存在となっているのですよ。





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パステアフタヌーン

トリプレットの悦楽

クワトロの話の次はトリプレットですか…一義的な社会通念ですと生化学の用語なんですけどね、ここではカメラのレンズの話。あ~音楽の世界では三連符のことだったなあ…つまり「トリ」は3という数値がキーになっているコトバ群の看板みたいなものですね、スリーの語源でもあります。

虫メガネと違ってカメラのレンズは一般的には一枚単独の構成ではありません、複数のレンズを組み合わせて各種の光学収差を補正したり焦点距離を安定させる設計がなされています。その昔、イギリスの光学機器技術者が開発した三枚構成(凸凹凸の組み合わせ)の写真撮影レンズがトリプレットと呼ばれるものの元祖です。
現代のレンズは最低でも4枚構成、高価で高級なレンズでは20枚を超えるものも珍しくはありません。しかし構造が簡素でコストを低く抑えられるのにソコソコの描写をするトリプレットタイプは、1970年代まで一部のニッポン製普及版一眼レフのキットレンズとして製造販売されていたわけです。
因みに本日の『カルボナーラ』のフォトは1960年代に旭光学が製造販売したスーパータクマー50mmF1.4で4群8枚構成の珍品高級レンズで撮影しております。

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PASTEL AFTERNOON   FUJI PHOTO FILM FUJINON 2.2/55  SONY α7

正確に分析しますとこの FUJINON 55mm F2.2 というレンズはトリプレットを改良したスピーディック型レンズ構成でして貼り合わせのない4枚ものです。…が、基本はトリプレットの延長線上にあるものですね、世界的に見てもなかなかに珍しいもののようです。
とは言ってもけっこータマ数は多い(それだけ高度経済成長期にたくさん売られていたってことです)ので入手に苦労することはありませんが、上のフォトのようにかな~り特徴的な写りをするので、巷のオールドレンズブームや銀塩フィルムカメラ復活でインスタ映えする写真が撮れるってことなど人気が出てしまい、モノのわりにお値段は「えっ?」って感じに高いのですよ。うふ、ボクは別件で入った某リサイクルショップで FUJICA ST605 というフィルム一眼レフにくっついて販売されていたこのレンズを発見しましてね、お値段が¥1600だったので即買いしてしまいました。カメラ本体に不具合があるのでジャンク扱いだったようですが、レンズを外して覗いてみればけっこークリーンでカビや曇りの兆候はありませんでした。店員さんが心配して「お客さん、これジャンクですよ」と念を押してきましたが、な~にレンズさえ生きていればボディーはどーでもいーのよ…とウキウキで持ち帰りました。

庭のベニバナドウダンツツジを絞り開放で撮影してみます。かなりゆるふわな映像です。そしてバブルボケと呼ばれる大きなリング状のボケが盛大に発生しています。絞り込めばキリッとしてくるらしいのですが、それじゃあ面白くありませんよね。ソコがこのレンズのレゾンデートルなんですから。