■ 角千本店の『みそざるうどん』
こだわりが生むナゴヤの味
お店に行って食したわけではなく、帰省に当って「ナニかナゴヤらしい食べ物はないものか」とスーパーで買い物をしているときに見つけた家庭用の食品なのね。
貝新さんの『あさりの時雨煮』は酒の肴にもイケてるし朝食のお供にもナイスなので即購入したけれど、「ざるうどん」を「八丁みそだれ」で食すってのは聞いたことがなかったし、ちょっとだけ迷った。けれども大手食品メーカーのコラボ商品でもなければ、ブランドだけ自社のOEMでもない、まぎれもなく自社開発・自社製造した商品であるのが心強かったし、なにより気温が上昇する五月には冷たい麺料理ってのもいいねぇって感じで購入してみたわけです。
パッケージには「まるや八丁味噌 赤だし使用」と金色のシールが貼られていたり「大分産の柚子こしょう」が添付されているなどフツーにソコラで売られている蕎麦うどん系の商品とはキアイが違うじゃないか。ただしお値段も二食入りで¥500弱とかなり高価な部類、こりゃ美味いに違いない…美味くあってもらわなくっちゃ困ると思いましたよ。
「角千本店」さんも「まるや」さんも知らなかったけれど、帰宅してから調べてみると「角千本店」さんは大正七年創業で本社本店の他に三店舗を構える企業、いっぽうの「まるや」さんは延元二年(1337年)の創業でその後江戸時代になってから岡崎で八丁味噌を作り続けている企業、どちらも堂々とした老舗なのであった。
最高気温が真夏並みに上昇した先日、ようやく手土産に持ち帰ったコレが活躍する機会が訪れました。まあ基本テキに半生うどんを茹でて薬味を準備すればオッケーのお手軽クッキングです。
パッケージのフォトにあるように茗荷や刻みネギと白ゴマを用意しました。青ジソは当家の庭に未だ出てきていないのでスルーです。
やや細目でつるつるとのどごしのよい麺は「きしめん」のようなしなやかさと小麦のいい香りがします。とても上質な印象です。
そしてウリの「赤だしみそだれ」をつけて食してみると、なんとまあこれが味わい深くて美味いのですねえ、そりゃナゴヤだでよお。
甘辛バランスも申し分ないみそだれはダシも効いていて、そのまま飲んでもストレスを感じないくらい…そこにうどんを浸してつるり…あぁ美味い、ジツに美味い。
そしていろいろな薬味のアシストつきで食してみるわけですが、わざわざ「大分産の柚子こしょう」を添付している理由がここで明らかになるわけですね。八丁味噌独特の甘辛さにスッキリ爽やかな辛みの柚子こしょうが加担することによって、よりスムースにうどんの旨味と香りを楽しむことが出来るわけです。こーゆー体験は初めてだがや、でらうみゃ~でかなわんわ。
角千本店さんは製麺メーカーですが、直営する飲食店の評判もよろしいようでしっかり”名古屋めし”の暖簾を守っているようですね。スーパーなどの一般店舗で販売しているこうした商品にも老舗のこだわりが生きていてナゴヤの味を強く感ずるものです。
◆ 株式会社 角千本店(かどせんほんてん)
https://kadosen.co.jp/
愛知県名古屋市北区西味鋺5丁目113
TEL=052-901-8591
■ 柿の木陰から
気が付けば柿の新葉がすっかり大きくなっています
皐月の空
鮮やかな新緑
透き通る風