ラムチョップのロースト

中央アジアから

古より羊肉は人類の食を支えてきたもののひとつでありますが、殊に中央アジアをルーツに持つ遊牧民の食事が羊肉中心であったことが伝えられております。現代では牛肉や豚肉が中心の欧州でもやはり羊肉がその食文化を支えていた時代もあったわけでして、昨今のようにソフィスティケートされたお味のラム肉が登場してより一層の畜肉グルメが形成されているわけですよね。
 
さて最近よく利用するようになった山梨県系庶民派スーパー某OGの精肉コーナーでは、そのラム肉がパックされては売られているわけです。しかもジンギスカン用のスライスではなく、羊の骨付きロースである " ラムチョップ " じゃありませんか!
おぉ~おぉ~声にならない感動が押し寄せて参ります。これまではトナリ町のちょいハイソ系スーパー某SSに行かないとゲット出来なかったものが、こんな近所で見つかるなんて俄かには信じ難いことでありまして、もう他の調理予定は全てキャンセル、『ラムチョップのロースト』一本で勝負なのです。

ラムチョップのロースト   Nikon Ai-S NIKKOR 1.4/50 (Stepped Nose)  SONY α7

軽く下味処理をしたらフライパンで焼き目をつけ、粒マスタードを表面に塗ってはコンベクション・オーヴンに突っ込んでやるだけ…ニク料理としてはもう最低限のテマしか施しておりませんけれど、この極シンプルさがラム肉の香りと旨味を引き出すのにサイコーなんですよね。
付け合せは軽くベイクした新ジャガとレモンに任せっきりではありますけれど、何の過不足も生じない所がラム肉の優秀さを物語っています。とにかく旨味に満ちていて柔らかい…香りに多少の個性はありますけれど、いちど食せば病み付きになってしまう美味しさですね。
食し終えた後もジンギスカンで慣れているせいか食卓の残り香さえ素晴らしいものに感じますし、何よりその食味の軽やかな余韻が次回への期待を膨らませます。
ええ、ゴタクはいいから次回はいつにするの?







" Wai Wai ワイド " でご近所散歩

ラクタ整理をしていたら旧ソ連製レンズが一本出てきたお話を先日致しましたが、もうひとつけっこー珍品みたいなレンズも見つかりましてね、まあマニアックな話ですし、そのレンズで撮影したフォトもベツにどうってことのないものですから、お忙しい方や他人のヒマつぶしテキ趣味に興味をお持ちでない方はどうぞご遠慮なくスルーしてください。
 

擁壁のノアサガオ   KONICA WaiWaiWIDE HEXAGON 11/17  SONY α7

正式な名称は「撮りっきりコニカ mini WaiWaiワイド」というカメラに搭載されていたレンズです。有名なあの「写ルンです」と同様に、スマートフォンのカメラが爆発的に普及する以前によく利用されていた所謂「使い捨てカメラ」ってやつですな、お世話になった方も多いと思います。
商品の特徴としては自撮りがラクに出来るように17mmという超広角レンズを装備し、フィルムも ISO800 の高感度タイプで暗い場所でも手ブレを防止、女性が片手でセルフィー可能な大きさと手軽さを兼ね備えたモデルだったようで、2002年から2009年くらいまで製造販売されていました。

焼却炉と空き地   KONICA WaiWaiWIDE HEXAGON 11/17  SONY α7

おちゃらけな性能かと思いきや、真っ直ぐなものがきっちりと真っ直ぐに映る歪曲収差の少なさや、想定外の解像力には驚きました。ただ試し撮りのフォトは旧メディアのレトロっぽさを出すために彩度を下げており、なんとな~く退色してしまったネガカラーのプリントみたいなフンイキに編集調節してありますけれど、実画像は色乗りも鮮やかでモールドプラスチック製二枚構成のレンズとは思えない優秀さに驚くばかりであります。

廃屋にヤブガラシ   KONICA WaiWaiWIDE HEXAGON 11/17  SONY α7

ひと目でパッと判るのが周辺光量の低下が顕著であることであります。そりゃプラレンズ二枚じゃ補正も限界がありますよね。ただし本レンズ搭載のカメラは視野率が85%くらい(多分)でしょうから、実際にプリントされるものはそれほど気にならない程度であったのではと推察します。
逆にフルフレームのデジタル画像ですと中心部分が強調されるような映像となって印象深く思えてくるのですから面白いものです。性能の悪さではなく意図的にそう持って行ったかのように肯定的な捉え方をするべきでしょう。

看板と地番標識   KONICA WaiWaiWIDE HEXAGON 11/17  SONY α7

このレンズの描写欲しさに「撮りっきりコニカ mini WaiWaiワイド」を複数所有し、本来使い捨てだったカメラに自ら新たなフィルムを装填して使い続けていらっしゃる御方もいると聞きます。またこのレンズ部分だけを本体から分離し、別の鏡筒に移植しては新たな交換レンズとして販売している事業者も存在するようです。ボクもちょっと欲しくなってソレを調べてみたら、う~ん…めっちゃ高いじゃありませんか、約3諭吉なんてとても平素の小遣いじゃ買えないお値段です。
それならテメーで作っちまった方が手っ取り早いんじゃないか…ってことで「撮りっきりコニカ mini WaiWaiワイド」をネットオークションで(もちろん中古でフィルムは抜き取り済)探しましたら、たった一台だけ見つかったんですね。お値段もほぼ新品価格(メーカー希望売価¥1600、当時の参考実売価格は¥1000強)でゲットできたのはラッキーでした。

今はネット市場でも見つけることの難しい珍品となっておりまして、思い付きでとか衝動買いをするのもあながち悪いことばかりではないよなあ…と思っている次第です。
現状はテスト撮影段階なのでやっつけ仕事の外観ですが、まあそのうちに立派な鏡筒をあてがい堂々と白日の下にお目見えという運びにしたいと思っております。なお HEXAGON の名称は Art-Foods が面白半分に付与したブランドで実在する商標ではありません。