春を感じる食卓 其の弐 『生しらす』と『新筍煮』

『生しらす』と『新筍煮』

そして黒潮の恵みも

墓参りそして食事と予定通りにコトは運びましたが、やはりタタッとお買い物をして晩酌の肴でも…と清水のちょいハイソ系スーパーに立ち寄りました。サスガに上質な食材が溢れんばかりに並べられ、哀愁のイナカ町スーパーとは一線を画す品揃えであります。
迷いに迷う食欲の嵐ではありますが、そんな中でこの時期に押さえておかなければならない食材がいくつかあります。桜海老とほぼ同時に解禁となった駿河湾のシラス漁ですね、今年は若干漁獲量が少な目で高値スタートでしたが、ここにきて持ち直しているようです。エロおやぢの財務状況でもなんとか負債を抱えずに済みそうな価格に落ち着いてきておりまして、先ずは『生しらす』をチョイスしました。

庭の山椒新芽

先般から地元産の筍も出回り始め、静岡市内は藤枝地区山間部の新筍が多く入荷しているようですね。これも朝茹での新鮮なものがありましたのでひとつカゴに。ええ、当家の庭には山椒の新芽が先日からスタンバイしておりましてね「早くタケノコ持ってこい!」とウズウズしているわけですよ。お待たせしました、今日は『新筍煮』にしますから活躍を期待していますよ。
そして春の黒潮にのって北上してくる本鮪(クロマグロ)の幼魚メジマグロも未冷凍の切り身で並んでおります。いいねえいいねえ、こいつも肴にしましょうね。まあ脇役テキなものですから、切り落としのお買い得品でもオッケーです。
あとは巻貝の " ながらみ(ダンベイキサゴ)" も黒潮海域の生物ですね、都合の宜しいことに既に塩茹でされたものがありましたので、それもすかさずカゴに入れます。

生しらすと新筍煮   MIRANDA AUTO MIRANDA 50mm F1.4 ( 8-Elements )  SONY α7

帰宅してから先ずは新筍をカットし、淡口醤油とカツヲ出汁でそっと煮ておきます。春先の新ワカメなどと炊き合わせる「若竹煮」が定番のようですが、エロおやぢの場合は筍オンリーが好みです。
あとは購入した食材を塗りのプレート上に適宜並べ、晩酌スタートの鐘を待つばかりです。その間にこの日購入した日本酒のことを少し調べてみたり、冷やにするかヌル燗にするかを決定したり...まあそーゆー時間が楽しいものなのですよ。
『生しらす』は静岡市の最も西に位置する用宗(もちむね)漁港での水揚げですが、やはりサイコーの鮮度が保たれていて申し分ありません。ヌメヌメしていたり苦みが生じていたりなどは皆無、シャッキリぷりっとしていて、この品質を家庭でいただけるシアワセを強くかみしめます。
香りよく甘みも豊かな新筍、フレッシュな山椒新芽がその風味にトドメを刺します。メジマグロの旨味と滑らかな食感、ながらみの濃くそして豊潤な磯の旨味が堪りませんね、ワタのまったりした甘みもスープリームな領域に達していますよ。

森本酒造 小夜衣

相棒にした日本酒は県中部の菊川市にある森本酒造さんの製品です。ラベルは歌川広重「東海道五十三次・日坂宿」の浮世絵をモノクロームで再現したもので、ずいぶんシブいデザインですよね。大井川を越え遠州に向かう厳しい山道を広重が浮世絵にしたものを採用し、このお酒のクリアな旨味とふくよかな香りを上手く表現しているものかと思います。
しっかりと春を感じる食卓でしたが、少しゼイタクな感じもあって分不相応であったかと思います。まあ父の命日でしたからね、故人を偲んでたまにはこんな宴も悪くはないでしょう。
 
 



卯月の庭風景  紗雅とウラシマソウ


先日は一輪だけ咲いた紗雅をフォトにしましたけれど
その隣にツインとなったものが綺麗に咲きました
もっとたくさん咲いてもよさそうなものを
例年こんな調子でボツボツと

卯月の庭風景 紗雅   Nikon Ai-S Micro-NIKKOR 55mm F2.8  SONY α7

 
 


そして今年も元気に登場したウラシマソウ
群落がまた増えて三つになりましたが
これ以上は増やさない方がよさそうです
あぁそれにしてもブキミ系ですねえ

卯月の庭風景 ウラシマソウ   Nikon NIKKOR-N・C Auto 24mm F2.8   SONY α7