■ 新筍のチャーハン
清廉潔白かつ正統派
富士山麓の竹林で朝採りした筍はその場でボイルされて農民市場に運ばれます。そこにエロおやぢがすかさず行って購入してくるわけですね、こんな新鮮なものはありません、その場で塩を振っては喰ってしまいたいくらいです。
数日前にその新筍は豚バラ肉と共に炒めものにして美味しくいただきましたが、どうやら今年は脳内の思考回路が中華料理に寄っているようでして、次に思いつくのがチャーハンという真にベタな献立なのですな。
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まあいいじゃありませんか、食材はとびっきり上等な新筍とタマゴだけ…考えようによってはこんなゼイタクなチャーハンってのもなかなかないと思いますけどね。
えぇっ!?マジで他に何も入れないんすか?チャーシューとかネギやナルトとかさあ…ってねえ、ここは敢えてそうした煩悩を抑制し、清廉潔白かつ正統派のチャーハンを目指すのですよ。調味料だって塩とコショウそして風味付けのお醤油と酒をチャチャっと…あとは粉山椒を仕上げにパパっとやって山椒新芽を飾る程度ですよ。
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しばし無言の時が流れます…そしてあ~とかう~とかコトバにならないうめき声のようなものしか出てきません。そりゃそうですよ、この新筍のフレッシュな香りと甘み、柔らかく心地よい歯触り、なんと形容していいのか判らないくらい滋味に満ちています。一瞬タマゴも要らないくらい…と思ったりしますけれど、ジツはそうじゃなくてそれも極めて重要なキャストなんですよ。ええ、ふわふわタマゴはゴハンと筍の手を取って上手く操ってくれているのですね。
あ~堪らなく美味い…そしてもっと食べたい欲望にいつまでも苛まれるのですよ。