■ 旬の和風イタリアン
哀愁のイナカ町はなかなかに優秀なタケノコの産地でもありまして、よくテレビ番組に登場する " タケノコ王 " とやらもこの町に実在する人物でしてね、なんだかドえらく儲けてはゴーカな御殿を建てちゃったってハナシです。
そりゃそうでしょう、あれだけボッタクリ高値で売り抜けば…って脱線ですよ脱線、元へ。まあエロおやぢはそーゆー観光客相手のお店なんぞに行くことはなく、ごくフツーに存在する農民市場みたいな庶民のミカタにお世話になるわけですな。
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その新筍でパスタをいただきます。農民市場ではその日の朝採りタケノコを大釜で茹で上げたものを販売しておりましてね、そりゃ香りや甘みがグウなわけです、柔らかでサイコーです、テメーで茹でるテマヒマ要らずです…絶対に「茹でタケノコ」を購入したほうがいい所以であります。
直前までは新筍にはパンチェッタを加えてペペロンチーノ風にするのがベストってことで諸食材の準備を整えておりましたが、冷蔵庫の扉を開けた瞬間、メに飛び込んできたのが先日仕込んだ「野蒜(のびる)松前漬」であります。ええそうなんです、なんかこうヒラメイちゃったんですよね…新筍と野蒜を組み合わせたらナイスなんじゃないか…って。
ちょっと冒険ですが、やってみる価値ありそうだよね~ってことで即ジッコーの運びとなります。
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いや~美味すぎて怖いくらいです。これほど上手くゆくとは思いませんでした…新筍の香りと食感、野蒜の溌溂とした刺激、昆布やお醤油の旨味…和の食材ばかりでありますがリッパにイタリアンとしてのお務めを果たしておりますな。旨い。申し分ありません。
こーゆー料理をイタリア人やフランス人が食したらどんな感想を述べるのでしょうね、機会があればいちどその責を全うしたいなあとも思います。近年は現地三ツ星レストランのシェフたちもニッポンのコンブや鰹節の旨味を理解するようになり、既に活用していると聞き及んでおりますから、きっとこの組み合わせも喜んでいただけると思いますけどね。
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相棒はキリっと冷やした白ワインです。ここ数日は春を通り越してすっかり暑い日中です、帰宅して例の黄金ドリンクをぐびぐびするのがお楽しみのひとつではありますけれど、イタリアンならお食事の合間にはやっぱりワインですよね。あぁフレッシュな香りと余韻で美味しいワインであります。
こうしたものがワンコインで楽しめるなんてニッポンも豊かな国になりました。そうそう、ウクライナの人々が一日も早く平穏な生活が取り戻せますように…とつい考えてしまうこのごろですが、あの深い傷はそう簡単には癒せないよなあ。