琴平荘の『中華そば』

琴平荘の『中華そば』

ラーメン激戦地山形の矜持

山形県はかつて一度だけ行った事があります。バブルの末期ごろ、イスラエルから輸入した産業機械の調子が悪く、エンドユーザーの工場に出向いては機械の調整や技術指導を行ってきたわけですが、シゴトのことよりも鳥海山の美しさにノックアウトされて帰ってきた思い出があります。もちろん富士山は美しくまた尊い御山ですが、斑になった残雪やその山容の素晴らしさが忘れられない鳥海山…またこの目で確かめてきたい山です。

琴平荘 中華そば 醤油味

そんな山形県はラーメン激戦地としても知られているようですね。総務省の調査でも外食におけるラーメンの売り上げと喫食率は山形県が日本イチということで、当然お味の優劣やサービスの競争は熾烈を極めていると聞きます。きっと県民の皆さんはおクチも肥えていらして、生ハンパなものはバッサリ切り捨て淘汰される憂き目に遭っているはずです。
あぁそんなラーメンを現地でいちど食べてみたいものだ…と思っておりましたが、運のよいことに近隣スーパーで開催された「東北フェア」で、その山形のラーメンがいくつか販売されておりました。ええ、RTS患者と致しましては当然治療の一環として購入するに決まっているわけですよ。
うふふ「中華そば」かあ…でもなんだかラーメン屋さんのナマエじゃないみたいだけど…。

琴平荘の『中華そば』   Nippon Kogaku NIKKOR-S Auto 50mm F1.4  SONY α7

それもそのはず、琴平荘(こんぴらそう)さんという旅館が海水浴シーズン以外の休閑期に客足を引き留めるために作り出した『中華そば』が、いつの間にか評判を呼ぶようになり、今では遠方からの客も訪れる人気店としてご活躍されているとのことなのね。
アゴだしの効いた澄んだ醤油スープに中太の縮れ麺、もう如何にもなトラディショナルを背負った『中華そば』なのですよ。シナチクは切らしてしまっていたけれど、自家製の叉焼や鳴門巻があったからいいよね…あぁ本当に美味しい。ハデなものは何もないけれれどこれでいいんだ、これで充分なんだよ。旅館の料理長が片手間に作ったラーメンではない、ラーメン激戦地山形の矜持を感じさせる『中華そば』なのです。
しみじみと質朴な風味がここにあって、額のアセを拭うことさえ忘れる喜びがあります。
 
 

 
 
 
 

文月の庭風景  額紫陽花の憂鬱と八重咲梔子再び


役目を終えた蕊は雨に流され
その支持体だけが残る中心部
化粧額もうなだれ下を向き
憂鬱だけが支配する額紫陽花

文月の庭風景 額紫陽花の憂鬱   Carl Zeiss Batis 2/40 CF  SONY α7RV

 
 


もう終わったと思った八重咲の梔子は
再びその花芽を膨らませ
予定外の開花で幸福を運んできてくれました
それにしてもいい香り…

文月の庭風景 八重咲梔子再び   Carl Zeiss Batis 2/40 CF  SONY α7RV