■ 旬の " 久能生姜 " を添えて
真鯛のお頭とアラがパックされたものを購入してきました、どこのスーパーでも売っているよくあるやつです。身肉をお刺身に利用した余剰品ですが煮つけやダシにするには上等なものでありまして、お値段を鑑みますと放ってはおけない…つまりボンビ御用達の裏グルメなのであります。
春や秋の旬でもありませんし、ましてや天然モノであることも稀でたいていは養殖モノではありますけれど、まあそーゆーコトはこの際ドッチでもよくて、ミネラルが不足しがちなこの暑さの中で甘辛い煮魚に舌鼓を打ち、なおかつ必須栄養素をヨロコビと共にカラダに取り込む…という作法がジツに理に適った文月の晩餐なのですな。
真鯛の兜煮の美味しさは改めて申し上げるに及びませんが、今回は今が旬の " 久能生姜 " をフィーチャーしたひと皿です。あ…「久能」の読みと意味…そうですよね、久能(くのう)ってのは静岡市駿河区と旧清水市の間にまたがる海岸エリアの名称でしてね、観光スポット日本平南面・徳川家康殿が眠る「久能山東照宮」のある場所・静岡イチゴの大産地…と申し上げればお判りいただけますか。
イチゴはもう説明不要な名産品ですが、その他に家康と瀬名が愛した固有種「折戸茄子」、砂地を利用した「生姜」の栽培も盛んです。特に初夏から盛夏にかけてはその新生姜の美味しさが際立っておりまして、関東エリアなら「谷中生姜」の名で庶民の暑気払いとして親しまれておますね。
この " 久能生姜 " は味噌をつけて齧るのが一番美味しいものなのですが、真鯛の煮汁を纏わせながら食すのもまたオツなものでして、爽やかな辛みと溌溂とした刺激や香りが堪らないわけです。〇下の新生姜?一昨日来やがれ!てなもんです、マジでこの葵の御紋が目に入らぬか~テキな存在でしょうな。
青味にカイワレ大根てのが興醒めではありますけれど、まあ " 久能生姜 " に免じてお許しいただきたいと思います。まあ決してダメな組み合わせではありませんが、今時期なら " 久能万能ねぎ " とか茗荷・青ジソなんてテもあったかなあ…なんて、いまさら遅いよ。