生牡蠣に樽酒

 エアポンプで送られた空気がブクブクと音をたてている生簀に1ケ¥100と書かれたフダが浮かべられ、岩手の牡蠣と佐渡のサザエが運命のヒトを待っている。
夕食はワンタンでいいやとタカをくくって行ったスーパーだが、鮮魚コーナーでこの光景を見ていとも簡単に方針転換、しかも樽酒まで買い込んで…

 だいたいフツーの人が敬遠する理由はカキの殻外しがメンドーないし不得意あるいは出来ない…といったトコロであろうか。
幸いなコトにボクはなぜかその技術を身に付けているため、特にためらうこともなく購入を急ぐのである。
やはりムキ牡蠣と違い風味は圧倒テキに力強い。
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 洋風に攻めるならばカクテルソースや白ワインが常套句なのだろうが、ウスターソースやケチャップ,タバスコといったものもツウのラインナップにはあるらしい。おっとイケナイ、タバスコは商品名だから「ホットソース」と呼ぶべきだろう。
だがなんといっても日本で育った牡蠣には日本の食材を合わせてやりたい。
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 柚子、かんずり、葱…以前はポン酢醤油もよく使ったが、最近はこの三つだけで行くケースが多い。特に殻付きの場合にはせっかくの豊かな風味を殺さぬよう最大限の神経を使い、最上のヨロコビに備えるのだ。

 冬が近づくと楽しみにするものの筆頭株ではあるものの、ひたすら酒を楽しむためだけにある「生牡蠣」である。コレだけはご飯のオカズには無理があるし、煮たり焼いたりといった調理が必要となる。
辛口の日本酒との相性は抜群だが、フシギなもので多少芳醇なタイプの酒であっても上手に包み込んでくれるのが生牡蠣のよいトコロか。