デリカテッセン  

 いわゆるデパ地下グルメというヤツなのだが、普段からちょっとゼイタクな品が並んでいるのにクリスマスともなれば考えられないくらいリッチな一品が所狭しと並べられている。

 毎年手料理が聖夜の宴を彩るのだが今年はちょっと趣向を変えてみた。
シゴトもドン詰まりに来ているし正直テをかけたディナーを恥ずかしくない状態に揃える自信はなかったコトも告白しよう。
しかしこうして並べてみると、家庭ではなかなかできない料理が持ち帰りの惣菜で出来上がってしまうワケであって、ソレはソレで楽しいではないか。
いつも手造りしている訳だし、中途ハンパなセッティングでテマヒマかかった割に満足度が足りない…といった心配もないのだ。
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 売り場ではコーフンしていたので気づかずにいたコトは「サラダ以外は揚げものが多かったのね…」なのであるが、モンダイの中身が贅を尽したモノだけにさほどのミスとは感じにくい。

 それよりもガーリックバターを鶏肉で包んで揚げたキエフ風のカツや、たっぷりの具が入ったトマトソースでいただく舌ビラメの海鮮包み揚げなど、同じ揚げものでもこんなに工夫がされて開発販売されているコトに感動を覚える。
しめしめこのアイデアいただきねー♪みたいなオマケもあることだし、たまにはデリカも悪くないじゃん…と家族の利益目標は一致している。
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 スペイン産のカバもリーズナブルな価格で満足度の高い一本だ。さほど繊細な料理でもないしこれくらいがバランスのとれたチョイスかもしれない。
あまり詳しくはないのでラベルのデザイン優先で買ってきた、ってのも愉快ではないか。
カバはハズレが少ないとはいうものの、この一本はエクセレントだった。クリーミィな泡と洋ナシを想わせる高貴な香りに包まれた発泡ワインは母君のお気に入りリストに書き込まれたようだ。

 一通りの買い物も済ませ、さーて帰ったらスープの準備ね…と思っていたのだが、都合のよいコトにココットが売っているではないか。ふ〜んタンシチューにエビとホウレン草、キノコとホタテの三種類かぁ、え〜い一通り買っちまえ〜…
というコトで帰ってからは楽勝なスケジュールになって少し気楽に。
いくら揚げもの中心とはいえ飲み物やサラダは冷たい系ばかりなので、こうした温かな煮込み料理が間に挟まると食卓がより楽しいものになる。
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カバはカポカポ空けてしまい赤ワインの登場となる。

この日のために数種類の赤は準備してあったが、料理の性質上あまりヘビィなネオビンテージなど持ち出してもオーヴァークオリティーとなってはつまらない。
ココでもラベルデザイン優先で、ちょっとクリスマスらしいハデ目のボジョレーで再び乾杯。
しかしボジョレーもこのクラスになるとバカにできない凄味みたいなモノをもっており、この一本もブラインドで飲まされたらボジョレーヌーボーだと正答出来るヒトはそういないだろう。
かく云うボクも全く自信がないどころか、やたら高い評価を与えてはアトから自己嫌悪に陥るのは必至だ。
いや、それ位良質かつ優れたテイストを持っているというコトで、カシスやキノコの香りを包むタンニンや酸味がしっかりと存在感を発揮しているワインなのだ。
「ガキのくせに妙に大人びた風情はまるで中島美嘉じゃん」などと発言して周囲の失笑をかってしまったボクだが、間違った評価ではないと今でも確信している。

 今年はケーキも雰囲気だけでなく実質を変えてみた。例年アイスケーキまたはフツーのデコレーションタイプにしていたのだが、コレを見た瞬間にココロは決まった。
お店もこのケーキをクリスマス用として販売していたワケではなさそうだが、ナリからしてハイソな空気をまといワカルヒトにはワカルというオトナのクリスマスをインスパイアさせてくれる。
むろんお味も見た目通りで、濃厚でビターなチョコレートが最高の品質を支えている。
ラクをしてしまったが楽しいクリスマスの宴のフィナーレにはふさわしいデザートであったと満足している。


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昨日の午後の富士山
朝方は雲に隠れて見えなかったのに、午後には新雪を纏って現れてくれた




富士山を撮影していると田んぼの中にナニやら動くものが…
って雉(キジ)じゃん!
さすがにイナカだよねー
















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菜園の紫キャベツ
まだ巻きが始まらないんだけど
大丈夫かな





























冬の弱い日差しが
吊り鉢の影を壁に落とす
ほんの一瞬
静かな午後







































AF-S DX NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G ED / Nikon D40