タラのムニエルとジェノヴェーゼ

 およそ季節感のない料理であるが仕方がないのである。冷凍庫のお片付けをしたのよ、また。
タラの切り身はたぶん湯豆腐かナニかの鍋物に使おうとストックされていたものに違いない。

 こんなクソ暑いトキには豆腐や魚介をたっぷり盛り込んだ“海鮮チゲ”もいいなとは思ったが、必要な食材のうちニラだけがないのである。たかがニラではあるが、コレがなければチゲ劇場の幕は上がらないのよ。
例の代車に乗り込んで今更買いに出かけるのもヤだし、あるもので間に合わせようと作戦の抜本テキ見直しに迫られた。
 冷凍してあったジェノヴェーゼソースもさっさと使わないと色も香りも悪くなってしまうし、思い切って洋食に方向転換するコトに決めたのだ。中途ハンパな量でくすぶっていたリングイネはメインディッシュの付け合わせには都合がよい量でシメシメ♪
タラはテキトーに下味をつけてガーリックオイルとバターでムニエルに、サラダを冷やして…とマルチなタスクをこなすのが料理の面白さでもある。
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いったん皿に盛ってみたがイマイチ脳髄を刺激する冴がないのよ。
レモンもトマトも腐らしてしまい最悪のキャスティングなのだが、このままではあまりのお粗末君でボクのプライドが許さないのだ。
破れかぶれの付け焼き刃は、ケチャップに粒マスタードを混ぜスープで若干薄めたソース…
おっけ〜♪
タラもビックリのスペシャルなお味に満足なのである。