本調子から上り調子に


おシゴトで首都圏まで出かけた翌日、最近ちょっと小耳にはさんだラッキーグッズを手に入れようと銚子まで足を延ばした。
そう、あの銚子電鉄のキップなのだ。

本銚子(もとちょうし)駅から銚子までの上り線切符が“本調子から上り調子”と読める縁起の良さが人気を呼んで話題になっているのね。
駅の売店では赤字脱出の切り札になった同電鉄名物「ヌレせんべい」も購入し、モクテキは無事達成されたのだ。

ついでに回った犬吠埼では灯台に上って円い地平線を確認、快晴の眺望は素晴らしく久しぶりに見た碧く美しい海の色が強く印象に残ってはいるが、お天気が良すぎて異常な暑さに訪れる誰しもがアセをフキフキの実態なのよ。
早々にメガーヌに戻りやれやれと落ち着きを取り戻すとやはりと云うべきかハラが空いてきた。
銚子漁港まではわずかな距離で移動できるので魚市場近くの料理屋で昼食を…とクルマを走らせるが、途中で“磯がき”という幟をいくつも目にして「もしかして…」との期待が胸を膨らませる。
新鮮な魚介の刺身や煮魚をセットした膳を注文し、オプションで“焼き磯がき”を欲張ってしまった。いわゆる岩牡蠣で夏場に食べられるカキとして市場では日本海産が高価な流通をしているが、ここ外房で出会うとは思ってもみなかった。
大人の掌ほどもある殻にプックリと海の滋味を蓄えた磯ガキ、バックリと食いつけば素晴らしい味と香りに無上の喜びを満喫する。あ〜クルマじゃなかったら冷酒も…などと限りないヨクボーも浮かび上がっては来てしまうが。
今が最盛期、しかも今年は特に生育がよいという幸運に恵まれ、ますます上り銚子じゃなくって上り調子に弾みがついた昨日なのである。