(78)JA日向『宮崎マンゴーカレー』

まさかFBMでレトルトカレーを手に入れるとは夢にも思わなかったが、お会いするのは三度目のb氏が九州旅行の際にボクのためにと購入し、わざわざお持ちくださったキチョーなカレーなのである。

辛味や酸味の効いたカレーソースにバランスを与える甘味をフルーツによって加える手法は昔から行われてきた。ダイレクトに入れるより擂りおろしたりチャツネに加工して使用するケースが多く、ほとんどの場合言われなければ気付かないほど果肉の存在は見えてはこない。
銀座千疋屋で有名になった“マンゴーカレー”はそうしたセオリーのようなモノを無視してゴロリとカットされた果肉が食す者の驚きを引き出し、また甘口のルウを好む方には堪えられない一皿となっているワケだ。
トロピカルフルーツの中でも近年人気急上昇のマンゴーはそのまんま東ではなくそのまま食べるのがもちろん一番美味しいのだが、プリンにしたりドライフルーツ加工品にして香りと甘みを楽しむのも大変結構なのである。
宮崎県は20年以上前からマンゴーの栽培と出荷を行っており某ファミレスのスイーツ戦略への採用開始に加え、現知事の就任と地元産品PRが功を奏し人気が非常に高くなっているようだ。沖縄県に次いで第二位の生産量と市場シェアを誇り、出荷量とキロ単価ともに上昇拡大を続けている。高級ブランド化を画策しているようでもありレトルトカレーの発売もその一環なのだろう。JA日向ばかりではなく他メーカーもこの動きに乗ろうと必死になっていて、いただいたカレーの他にも数種類同様の製品が市場に出回っているのには少し驚いた。
ただ日本人は何でも高級品にしたがる傾向が強いが、フィリピンのセブ島で食べたマンゴーは美味しかったなぁ…
市場で10ヶほど買っても邦貨で5円位のもの、ナリはよくもないがとにかく甘くて香りがよくて瑞々しい。高くて美味しいのはアタリマエなのであって、そんな素朴な逃げ道も残しておいてもらいたいな、とボクは思うのだ。
いかん…カレーの話題から逸れてしまったではないか。
アマ〜いマンゴーカレーはこのまま一皿食べ続けるのはちょっと辛いモノがあるが、インド料理屋のランチのように数種類をテーブルに出し、少しづつ味の違いを楽しむにはもってこいのカレーだと思う。スパイシーなカレーのアトに舌を鎮めるようにしてくれるのは甘味の強いフルーツカレーならではのものであるからなのだ。


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