(123) 愛知県『純系名古屋コーチン・チキンカレー』

野口君を一人連れて来てもオツリが少々…という高級レトルトカレーなのである。ソレもそのはずで純系名古屋コーチンそのものも高価だが、レトルトパックの内容量のほとんどがその肉ではないかと思えるほどタップリ使用されているからなのだろう。

名古屋コーチンは明治時代に尾張藩士海部壮平・正秀兄弟により育成開発された鶏種で、現在では外国産鶏との交配種が主体となって出荷されている。もちろん名古屋コーチンの特徴はしっかりと引き継がれ、豊かな味わいに締った肉質という誰もが求める鶏肉への期待を満足させては“三大地鶏”の一角を堅実にになっているワケだ。
ところがわざわざ“純系”と謳うのは名古屋種と呼ばれる原種が大切に保存され、その雄雌のみで交配させた希少な鶏だからなのであり市場への出荷量はおのずと少ない。
その純系名古屋コーチンをゼイタクに使いカレーに入れてしまったというバブリーなレトルトカレーを見つけてしまったボクは、自らの恐ろしいケイザイ状況のコトはすっかり忘れカゴに入れてしまったのである。もちろん1ハコのみというセコい購入点数ではあるし、独り占めして食すつもりは毛頭ない。“一杯のかけそば”ならぬ“一皿のカレー”、考えてみればゼイタクな料理でもあるが、家人の評判は頗る良かった。
レトルト製品につきもののアノ軟弱な食感や缶詰テキな風味はすっかり払拭されていて「ニクを喰ったぞ!」という充足感に満たされる食後なのである。


杉本食肉産業株式会社
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