ベトナムスイーツ『のしバナナ(仮名)』

案外に古来から交流があるのに知らないコトが多いベトナム徳川幕府による鎖国政策の影響もあるかもしれないし、戦後の社会主義国家化が影を落としての結果と捉えるのも一理あるだろう。

アジアンスイーツの露出度がこのところ高くなってきているのは、なにも欧米型スイーツに飽きてしまったからなのではない。経済援助事業などに参加し現地から帰ってきた日本人がその美味しさを紹介するコトも多くなったし、東南アジア諸国から日本へ働きにくる方も増加した…という状況変化もあるだろう。
この菓子も富士宮の某畜産企業に研修に来ている若者から頂いたもので、先日帰国した際にお母さんが作ってくれたという正真正銘のベトナムスイーツなのだ。バナナをすりつぶして焼広げた菓子のようだが、どうやって作るのかボクは知らない。うっかり菓子の名前を聞くのも忘れてしまい、いろいろ調べてみたりもしたがやっと見つけた写真入りの文献には“のしバナナ”としか記述がなく、実際に食べてみて分析するしかテはなさそうだ。
なんとな〜く多分なのではあるが、すり潰しバナナにコメの粉を溶いたものを加えて薄く伸ばし、竹を編んだ粗いザルで半乾燥後、パーム油を敷いた鉄板で表面を焼く…というプロセスなのではなかろうかと憶測はするものの確信は得てはいない。
食べてみればほんのりとバナナの甘い香りに想像を覆す強めの酸味がナチュラルに融合している。ちょうど“のしイカ”または“はぎロール”のような食感で、ビールのつまみにはイケるかもしれない。本来はスイーツなのでこのまま食べるモノだろうが、辛いソースをつけたり何かを巻いてみるのも面白いだろう。
もうひとつ一緒にいただいたのはピーナツを乾燥させて油で揚げたものをアメで絡めてブロックにしたもの。コチラはおなじみの味で特に言うコトはないが、やっと接着する程度のアメしか使っていないので甘すぎず香ばしい。
菓子類もコメを使ったものが多いようでコメ文化の国だけあるなぁと思うが、やはりメインは主食用途での利用頻度であり、パッと思いつく食材は“フォー”や“生春巻の皮”だ。それらも日本の輸入食料品店では容易に入手できるようになったが、まだまだ他にも種類は多いらしい。同国中部に位置するホイアンでは“カオラウ”というコシの強い麺をタレにからめて食べる名物料理があるらしく、どんなモノなのか興味は尽きないのである。ちなみに日本のお餅やアンコと云ったものはベトナムの方々のお口に大変よくあうらしく、帰国の際に土産として持ち帰る人も多いらしい。



昨日の夕方

2008.11.02. 15:04 @Fujinomiya-City