鶏の胡椒鍋

ホットでスパイシーな鍋と云えば韓国や中国の唐辛子系料理が近年流行しているが、どっこい和食にもあるのだよ。

胡椒鍋というネーミングからヒリヒリを想像する方も多いのではないか。ところがコイツは意外にフツーの鍋に近い存在なのね。
ただしちょっと加減を誤るとラーメンのスープみたいになってしまい、ゴマ油の一滴も落とせばそのまま麺投入も可能なものに変身してしまうから案外ソレ狙いでやってみてもよいのかも知れない。
コンブとカツヲでとったダシにテキトーに醤油を入れて薄めのツユを作っておこう。ソコにパパッと胡椒を振ってやるだけで、あ〜らマホーの鍋つゆの出来上がりなのだ。ハウスでもエスビーでも構わないしフォションでも大きな違いは生じない。凝ってブラックペッパーをミルでガリガリやりたくなるものだが、和食の場合はごくフツーのパウダー状ホワイトペッパーの方がより美味しい気がする。
食材もテキトーで良い。恒例の冷蔵冷凍庫整理のハケグチにしても全くモンダイはなく、チャンコ鍋と呼んでイイかもね。
タイトル通り今回は鶏肉を使用したが、鯛の切り身や鱈のブツ切りもナカナカに素晴らしい味になる。胡椒というとなんとなく洋食系やエスニック料理を想起するが、ジツは和食の世界でもムカシから使用されていてハマグリやアサリの澄まし汁には特に相性が良いと言われ、一般テキに使われる山椒とまた違った香りで海産物の長所を生かしてくれる香辛料でもあるのだ。
昨日は食材のすべてを農民市場で賄った。そこいらのスーパーに比べてほぼ半値、しかも採りたて新鮮…本当に有難い。特に“ほうれん草”のデキの良さに驚いたのね。多少の虫食い跡や縮れた葉もあるが、軸がパキッと音をたてて折れる…と云う表現で全てをお解り頂けるものと思う。
産直販売の良さなどいろいろなコトも考えさせてくれた胡椒鍋なのであった。