いよいよ春漁新物『ゆでしらす』

イワシの稚魚なので一年中漁獲できるワケではない。季節によってイワシの種類も変わり、それ故にビミョーにお味の違うシラスなのでもある。

スーパーなどでは一年中“茹でシラス”がテに入るが冷凍技術の賜物なのであり、本来は新鮮なシラスが獲れた時期だけドバッと出てきては消費され、アトは“しらす干し”あるいは“ちりめんじゃこ”といった乾燥品として食卓に上るのが昔はフツーだったのである。
たまたまシラス漁が盛んなエリアに住んでいるので冷凍加工工程を経ていないシラスを入手できるのは有難いコトであるが、旬の生鮮品だけに運も身につけなければなかなかそのシアワセにありつくことはできない。
近年は“釜揚げシラス”という名称の方が全国テキに通りやすいようだが、ボクは小さいコロから“ゆでしらす”や“ゆで桜海老”で育ってきているので前者の言い回しは今一つピンとこないものがある。もっともコトバというモノはちょっとした表現の違いで高級感が出たり庶民テキなフレンドリーさが生まれたりと、知らない者にとっては割高なブツをつかまされる要因になってしまったりもするのであって、やはり「ナニゴトもよ〜く勉強をせよ…」というご教示なのかも知れない。
一昨日静岡市内で購入してきたコレは用宗漁港で水揚げされたもので、やはりふわりとした食感や香りと旨みが全く違う次元にある。炊きたてのゴハンにたっぷり乗せワサビ醤油でワッシワッシと喰いつけば商品名などはどうでもよく、ただただ「うっ・まっ・い〜っ♪」という単純なフレーズしか思いつかない瞬間がやってくるのである。



由比港漁業協同組合
http://www.jf-net.ne.jp/soyuikougyokyo/




   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆




さようなら、冬の空

Twilight-hour , March.11.2009.