精進落としは『鰻の蒲焼』で

つい先日の十日は父の墓参りも終えて「ドコカで昼メシを喰おう」という話になったが、静岡市内へ向かうメガーヌの後部座席からは母君と妹君の「精進落としにはウナギもいいよね〜♪」などという会話が聞こえてきた。

いや〜ボクはベツに精進落とししなくてもいいんだけど…って、そーゆー問題でもないからしてココはひとつケジメをつけなければならないのである。元々鰻の蒲焼は大好物だし二度もフラれてる老舗の“あなごや”さんがいいわね、というプレゼンテーションには断る理由が見当たらない。しかしいいのかなぁ、ホントに毎日精進料理みたいなモノしか食べてないし、このところゴハンだって茶碗に半分くらいでハラがいっぱいになっちゃうくらいイマイチの食欲なのにさ…
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創業が明治22年というこの老舗はずっと同じ場所で料理屋を営んでおり、入口は二つある。一つはリーズナブルなランチやお手軽なセットコースが楽しめるテーブル席への入口と、お座敷でゆったり会席料理などを堪能できる由緒ある料亭入口だ。もちろん我々は気軽なテーブル席のほうを選択するのであるが、このお店の面白いのは通常“うな重”と表記されるモノを“うな丼”と献立に掲載しているコトなのだ。
ソコはきちんとベテラン女性店員さんが説明してくれて並や上は鰻の量の違いだけであるコトや、盆に載せられた吸い物やフルーツの案内まできちんとしてくれるのはサスガに老舗の仕事とサービスなのだなぁと感心した。
国内産活鰻のみ使用しており昔ながらの製法で蒲焼を提供しているにも関わらず、特別な大盛りを除いては¥1500くらいから¥2000程度までと価格も非常に良心的なのである。「どうだ、老舗なんだぞ〜マイッタカー!」みたいな高飛車な値段を吹っかけていないところがジツに気持ち良いではないか。
しかもお味も素晴らしい。甘くない…というよりどちらかというと塩っ気の方が先に立つ蒲焼きは、皮はバリッと身はふっくらジューシー。
ソレにしてもこのウナギの皮の緑色がかった背と黄色い腹皮、ゼラチン質の厚みやネバリの強さ。身肉は純白ではなくやや黄色味を帯びていて繊維質が細かくふわりとしていながらもしっかりとした弾力があり、濃厚な川魚の風味に(もしかして…)と思いつつ食していると妹君が
「ねぇお兄ちゃん、コレってもしかして天然もの?」
「ボクも今それを考えていたトコロ・・・」
う〜ん、お店ではエラソーに謳ってはいなかったが、やはり(もしかして)なのである。




割烹・蒲焼「阿奈ごや
静岡市葵区両替町1-7-10
TEL=054-254-8361 日祝日休










ムー吉どん
こんにちわっ!
静岡はやはり徳川家康の直轄地だっただけあって若干見栄っぱりテキ要素も孕んだ商業都市ですよね。おかげで東西の食文化が入り乱れて面白いカタチになってはいると思います。
お殿様のいた都市ですから職人や商人から高級官僚まで様々な職業の方が暮す姿は江戸と一緒で、下町の安っぽい食事やおやつから高級な料亭まで満遍なく揃っているのはそのまま現代にまで引き継がれているのかもしれません。
時代や文化が変わっても生活環境に根ざした県民性はなかなか変わってはくれませんね…



う〜様
おはようございます〜っ!
あくまでも(もしかしたら)なんですけどね(笑)でも限りなくシロに近い気がしますー
う〜さんたち去年天橋立のほうで食べてたよね…ウナギも少量でいいから良質なモノが食べたいです。養殖モノでもランクがあるんですよねo(^-^)o



まこたくさん
おはようございます〜っ!
そりゃ〜浜名湖と云えばウナギかスッポン…ただしスッポンは未体験でやんすが江戸のムカシでは庶民の食べ物だったというからオドロキですー
静岡市から浜松市にかけての東海道筋には鰻の蒲焼屋が多いですね、ヨユーがあったら食べ歩いてみたいな(*^_^*)