金山寺味噌と米茄子と…

夏野菜の王者キュウリをどうやって食べるかというハナシになった時、神戸の友人Gは“金山寺味噌”だと主張した。
そうか…そのテがあったなぁ、しばらく食してなかったしタマにはいいじゃん♪と美味い金山寺味噌を購入に出かけたのである。

鎌倉時代に宋の国・径山寺(きんざんじ)で修行を終え帰国した法燈国師によって紀州湯浅に伝えらたと云われる金山寺味噌は、黒潮の流れによって伝えられる文化としてその後静岡や千葉などに根を下ろし各地で醸造されることとなる。
小さい頃からコレに慣れ親しんできたのは清水でこの甘味噌を作る所が多かったせいもあるかもしれない。現在でも県内に出回っている金山寺味噌のほとんどが清水の醸造元の製品でもあるし、あちこちで開催されている朝市などでも必ずと言っていいほど農家の手造り金山寺味噌が並んでいる様子からし静岡県民はソレがとてもスキなようである。
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さてその金山寺味噌はどこのスーパーでも置いてあるワケだが、どうせ食べるならとびっきり美味しいヤツにしたいではないか。パッと思いついたのは清水から北に進んだ山間部に温泉施設・キャンプ場などが設置された森林公園があり、ソコで購入してきた金山寺味噌が抜群に美味しかった事なのである。もう10年も前のハナシなので現在はどうなっているのか判らなかったが、まぁいいや、とりあえず行ってみるべし…と出発した先週土曜だ。

富士宮からはクルマで1時間ちょっと、富士川を渡りクネクネ山越えしてゆくのでドライブとしては楽しくまた意外に近い。到着するとソコはムカシのままの姿なのであった。
夏休みに入っているので川遊びのコドモやキャンプの家族連れが多く来ていてにぎやかだ。早速お目当ての店に入って金山寺味噌を購入する。
公園の管理事務所近くには二つのお店がありどちらも地場産品を扱っているが、片方は静岡市役所が管理する施設内にあって、いわゆる御用業者テキ色あいも帯びている。
ボクが金山寺味噌を購入するのは完全な個人店で「てまえ味噌」という控えめなのか図々しいのかよくワカラナイ名前のお店なのだが、ココのは添加物など一切使っていない自家製完全手造りなのである。麦や大豆がツブレずに発酵していて大ぶりにカットされた茄子や胡瓜が楽しい商品に仕上がっている。いや〜嬉しいなぁ…

もう片方の御用業者(正式には「笑味乃家」という名称)の方ではおでんやかき氷も売っていて軒先のテーブルで皆美味しそうに食していた。しかしこの日の暑さは異常でボクはすでにアセだく状態、ハラは減ってはいたがこーゆー場所で食事を摂る気にはとてもなれなかったので、いくつかの野菜類を購入して逃げるようにその場を立ち去った。
朝採り新鮮な胡瓜に茄子・トマト…ドレもどっさり入っていてみな百円、コレならたっぷり食べられる。そして見つけたひと袋は米茄子2本とヒネたピーマンが3コ入ったセット物も百円!コレは買わないテはない。
お店のおねーさまは「厚〜く切って、弱火のフライパンでジックリ焼くと皮まで柔らかくなってとても美味しいのよ」と教えてくれた。おぉ〜ヨシヨシ、一杯の肴に向いていそうではないか。
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あ〜疲れた…と言いつつお楽しみの時間がやってきた。胡瓜と葉生姜は冷水でパリッとさせ例の金山寺味噌でいただく。ウ〜ムやはり美味い!遠くまでわざわざ買いに走った甲斐があったと云うものだ。スーパーなどで売っている一般テキな金山寺味噌とは違いテロテロとした甘みはなく自然な発酵による香りがジツに心地よい。
そして田楽風に八丁味噌をかけて食す米茄子の美味しいことといったら…


静岡市清水森林公園 やすらぎの森
http://www.city.shizuoka.jp/deps/norin/soumu/yasuragi/

売店「笑味乃家」では山菜おこわや焼そばもパック販売していて、手ブラで行っても食事には困りません。店内では名物のおでんやトコロテンもあって家族連れには楽しい所でしょう。
地元の新鮮な野菜類を始め、コンニャク・梅干・味噌・豆腐・蒸し羊羹・大福もち・田舎饅頭なども販売していてどれも美味しそうです。四季折々の山菜を楽しみにやってくる方も多いと聞きます。




てまえ味噌
静岡市清水区西里1361
TEL/FAX=054-396-3616
地図




金山寺味噌購入行脚の思わぬ余禄…まだあるんです(笑)
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