『ぜいたく天丼』でスタミナ補給

盆休みに入る前の最後のシゴトは某現場で楽勝に…という思惑だったけど、まあ人生ってのはそうカンタンには済ませてくれないものなのであって、結局テメー独りで違う現場のフィニッシュを仰せつかった次第なのよね。

そこは半島の先端にあるダダッ広い空き地で日陰も何もない。ただただ照り付ける真夏の太陽のストレート攻撃にさらされ、一時間もすればニンゲンの干物が出来上がってしまうんじゃないかと思えるほどだった。こんなところで熱中症にでもなれば誰も助けてくれないし…と単独作業をいいことにテキトーかつラクチンなインターバルで粛々とミッション遂行するのである。それでもエネルギーの消費はハンパなものではなく(なんかいーもの喰って元気つけなくっちゃあねえ)と昼めしはその現場からほど近い一軒の老舗を目指したのよ。
そう、ずっと前から気にかかっていた山下天丼店さんね。“天丼店”ってキメてかかっているところがスゴいじゃないか、フツーなら“天ぷら 〇〇”などと代表的な料理を冠するわけなんだけど、こうすると如何にも専門店ってカンジになってヲタクが喜びそうな屋号なのだな。
暖簾をくぐり引き戸を開けると昭和レトロな店内があった。テーブルは4人掛けがわずかに三つと奥に6〜8人用の小上りがあるだけの小ぢんまりしたスペースだ。さすが清水エスパルスの地元だけあって壁には同チームの選手によるサイン入り色紙がびっしり貼られていた。
入口に近いテーブルに腰かけると、天井近くにしつらえられた液晶テレビから国威発揚国際スポーツ競技大会の中継が控えめな音量で流されていたのに、先客の老婦人方のハジケる声がうるさくてちょっと落ち着かない。

それでもエアコンの効いた店内と出された冷たいオシボリにホッと一息、灼熱地獄から解放されハラいっぱいメシを喰うヨロコビに胸膨らませるのである。テーブルの一輪挿しにはイモのツルが飾られ楚々としたイメージはまるで茶の湯のように懐石然とした佇まいで、庶民テキなインテリアとのギャップが笑える。献立表も凝った木彫り製で、このお店がどんだけ変わらぬメニュー構成で食事を提供してきたのかがよ〜く解る。
さて肝心の食事だ。天丼店なんだからやっぱり天丼を喰わなくっちゃあねえ…おっとうなぎの蒲焼もあるじゃないか…いやいやダメダメ、やっぱり天丼!お〜っし、今日は懐もリッチだしどうせなら一番いい天丼にしようぜ!と『ぜいたく天丼』なるセレブメニューをお願いしたのである。


Olympus  F.Zuiko Auto-S 1.8/38  @ SONY NEX-7

いや〜スゴいじゃないのよっ! 海鮮は大海老に紋甲イカとキス、ヤサイはレンコン・ナス・大葉・シイタケ・シシトウ・カボチャと具の天ぷらだけでハラいっぱいになりそうな勢いだ。
ヤケドしそうなくらいの熱々をハフハフ頬張ると老舗のしみじみとした旨さが優しくクチに拡がる。美味い。天ダレの甘辛さ加減もいい感じだし、味噌汁ではなく豆腐とワカメの清まし汁ってとことも気が利いている。
ちょっと驚いたのは天ダネ類の隅に添えてあった一風変わった揚げ物なのよ。それは先の大海老の甲殻を剥くときに出る足の部分ね、常識的には捨ててしまうものなんだけど、それをちょいと天ぷらにして添えてある。こいつがカリカリと香ばしくて旨いんだな。ビールの肴にこれだけ食べたいってカンジ。そしてシメにサービスで出してくれた“紫蘇ジュース”が口中をさっぱりさせてくれて大変結構なものだった。
暑さも忘れてシアワセなランチタイム、ごちそうさまでした。




山下天丼店 三保支店
静岡県静岡市清水区三保912-1
TEL=054-334-0210
ACT=11:00-14:00 / 17:00-20:00
金曜定休




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オバケ胡瓜の消費拡大方法ね
いろいろ画策してるんだけど
こうして“割り干し”にして漬物に…
ってのもひとつ如何でしょうか、てなところ



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