厚化粧の女と『サバの醤油干し』

巷では「サバ缶」が大人気なのだそうだ。そう云えばムカシに比べると廉売のヤマになっている率が高い気もする。まあお魚系ヅメカンの特徴として海況や市況に左右されず価格が安定していることと、和食から洋食まで幅広く対応できるそのお味が見直されてる…ってなところでしょうかね。
ネットの人気レシピにも「サバ缶」を使ったものが頻繁に登場するし、居酒屋の中にはモロに「サバ缶」のストレート出しをするところもあるという、それくらい庶民の生活に密着したサカナ加工品なのである。
そしてその人気をアト押ししているのが冷凍輸入されるサバフィーレね、たいていはノルウェイ産が多いのだけれど、こいつがまた脂のりが抜群で美味いのだ。国内産だと少し高価な“トロサバ”みたいなものを購入してこないと味わえないあの加減が手のひらサイズでワンコイン!しかもめっちゃ美味い!とくれば日々のお惣菜に使わないテはないのよね。ボクも献立に困ったときはよくチョイスするし、振り塩してひと晩寝かせれば極上の塩焼に、軽く炙ってから味噌煮にすれば酒にゴハンに申し分ないものとなる。
しかしひとつ忘れてならない調理法に『サバの醤油干し』(或いは味醂干し)がある。こいつもたまらなくいいのよね、忘れたころに食せば大きな感動さえ覚えるくらいだ。


Arsenal V.I.Lenine  HELIOS-81N 2/50  @ SONY α7

醤油干しはたいてい赤い天然色素を加えた調味醤油に漬けて干してあるので発色が良くて食欲をソソられるし、また店頭での販促効果も大きい。そしてパラパラと振られた白ゴマがいちだんとキャッチーなポイントとなって酒呑みにアピールしてくるのだ。塩サバがスッピン美人なら『サバの醤油干し』はケバい厚化粧の女といったところだろうか。
ところがそのエロス満開なお誘いとベッドインしてからの濃密な交わりに欲望は満ち足りるのだけれど、コトの後もそこからは想像できない細やかな心遣いと優しさに満ちていて、そのギャップにオトコはメロメロになってしまうのだな。
作家でもある元知事から「厚化粧の女」と呼ばれた現東京都知事はコトバ巧みなトークと正義漢ぶったマニフェストで頂点に導かれたけれど、何をカン違いしたのかいい気になって国政に打って出た。しかしその本性は見破られ成果を挙げられないばかりかその政党も事実上解体、そしてその後は公約すら守れずにカリスマ性は下落する一方のようだ。何事も自分のモノサシってものを知るべし…のいいお手本になってますね。
その点このサバはその辺りをよ〜くわきまえているようでしてね、昔も今も庶民の味方であることに変わりはないようです。




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盛れども 散り際探る 小手毬よ



KMZ  INDUSTAR-22 Red-P 3.5/50  @ SONY α7

いよいよ満開になった小手毬。どんな天候や時間帯でもその可愛らしさは変わらないけれど、日没前の柔らかい光線がいっそうその優雅さを引き立てる。
いつまでもそのピークに固執することなく、散り時を探っては翌年の準備をしているかのようなところが奥ゆかしくまたいい。最盛期は四月、そして4月24日の誕生花ってのに納得。