厚岸駅前氏家待合所の『かきめし』

メジャーになった名物弁当

それこそムカシは知る人ぞ知る存在だった厚岸の『かきめし』、へへっボクは釧路に住んでいたから当時実際に厚岸(あっけし)にあるそのお店で購入してきては食したことのあるヒトなのです。
近年は東京駅を中心にこちら本州でも容易に入手できるようになりました。どうやら在京JNR系のお弁当屋さんがOEM製造しているとのこと、そうだよなあ…毎日大量に厚岸からってのにはムリがありすぎるもんね。どうりで地方のデパートやスーパーで開催される駅弁大会にカオを出すようなメジャーな存在になったわけだ。

『かきめし』の掛け紙

エロおやぢのアヤシい記憶だけなので正確なことは保証いたしかねますが、掛け紙の紙質はこんな立派なツヤのあるものではなくカサっとした普通紙に単色印刷、デザインはもっとシブくてダークな色彩だった気がします。
そしてパッケージもこうした折箱スタイルではなく、ミとフタが一体成型の透明プラ製(フタ開き止めの輪ゴムと取るとビヨ~ンって開いちゃうやつ)の安っぽいものだったような、う~んソレは間違いないな。

ちょっと残念なことも…

それでもお味は当時の記憶のまんまで、それはそれは美味しい『かきめし』です。こんなに豊かでコクのある炊き込みご飯はそうあるものではありません。酒の肴としてもサイコーでしょ、あぁ美味いったらありゃしない!
しかしちょっとだけ残念なこともありましてね、メインの牡蠣の他にツブ貝やアサリも加わっていることです。フキの煮物も昔はなかったし、漬物に至っては福神漬オンリーという潔さがあったのにね。
いやいや新加入のそれらが不味いとかそーゆーことではありません、ツブ貝・アサリ共に厚岸の名産品ですから相性はもちろんお味だって素晴らしいものなのです。ただフタがパ~ンと開いたときに真っ黒なゴハンと煮カキに真っ赤な福神漬けのコントラストって云うインパクトね、そして食してみれば極上の海の滋味!な感動がスポイルされてしまってる気がするのよ。

厚岸駅前氏家待合所の『かきめし』   Nikon NIKKOR-S・C Auto 1.4/50  SONY α7

確かに一地方の弁当屋が全国に進出するためにはこうした工夫も必要だ…とエラいヒトから言われたりもするのでしょうけれど、そのエラいヒトは目先の売り上げの事しか考えておらず、食や文化の本質なんざドッチでもいいのですから仕方のない流れなんでしょうけどねえ、単なるノスタルジーではなくコンサバティブなものに食の本質を見出そうとするボクからすると残念でたまらないわけです。

京懐石の美濃吉さん「牛肉しぐれ煮弁当」、豊橋駅の壼屋弁当部さん「稲荷寿し」、清水の末廣鮨さん「桜えびすし」、静岡の東海軒さん「元祖・鯛めし」…いづれもヨケーな装飾は一切排除されておりますが、そのお味とヴィジュアルには刮目すべきものがあります。食の本質が太く流れています。なにより訴えかけてくるチカラが違います。
今さら元に戻せなどと無粋なことは申し上げませんが、『かきめし』初売当時のスピリッツを忘れることなく、この素晴らしいお味をこれからもよろしくお願いしたい、切にそう思う次第であります。


厚岸駅前氏家待合所
http://www.kakimeshi.com/kakimeshi/
北海道厚岸郡厚岸町宮園1丁目15番地
TEL=0153-52-3270
ACT=8:30-14:30 木曜定休



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まちかど富士山


富士宮市富士市沼津市…岳南地区と呼ばれる富士山の南麓
どこからもこうしてその御山を見上げることが出来ます
せっかく世界自然遺産に登録されたのですから
看板や電線などの障害物が少なくなればもっといいのに…と思ってしまいます


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