『桜えびすし』

このところ激しい天候不順が各地を襲ってはいるけれど、ニッポンには明確な四季というものがあって人々はそれにあわせた生活をしている。

食に関してもそうした生活スタイルが影響を及ぼしているのであって「旬」というものの存在がこの国の料理に深い彩を与えているのよね。
そして駿河湾の名産である「桜海老」は専売特許だと思っていたのだけれど、台湾でも漁獲されていることを少し前に知りガッカリしたものだ。
しかし資源保護のために春と秋の特定期間だけ漁を行ったり、加工方法も多様なものがあるなどニッポン的な繊細さがあって、県内ニュースでは各時期の漁が始まると必ず報道されている。
そんな「桜海老」をたっぷり使ったお弁当を購入してきた。春先だったかな、けっこー近いムカシに食したばかりなんだけど、なんだかまた食べたくなってしまってねぇ。

そしてビール(発泡酒など第三系も含めて)も四季それぞれに違ったものが販売されるなんてニッポンだけみたいですな、この国の人々はこーゆーのがスキなんですよ。
若いころは「そんなムダなことをしないで、ドイツみたいに伝統テキな製法をきっちり守った良質な製品がひとつあればいいじゃん」と思っていたのだけれど、近年はそうした我が国独特の文化も楽しみながら受け止めるようにしているのだな。
この国内第三位のメーカーさんの「頂(いただき)」って新商品も、ナニか美味しい料理の時に同席させようと購入してあったものなんだけど、ビール系飲料としての評価よりも、そのCMがとっても話題になってしまったらしくてビックリしているのだ。
なんでも「絶頂うまい出張」編とやらがセクハラとか卑猥だとかAVチックだ等の批判が噴出して…そう近年ではそーゆーのって“炎上”って表現するらしいですねえ…とうとうそのバージョンのCMは放映中止となったらしい。

ボクもソレは何度かメにしたような気がするけど(別にどうってことないじゃん)と思う以前に全く気にも留めなかった、というのが正直なところだ。つまりこの程度の表現で大袈裟に騒ぎ立てるほうがよっぽどヘンなんじゃないのか…ってことなのですな、オトナの世界を知らないガキが吠えているだけみたいにしか思えないのよ。それより「クレヨンしんちゃん」みたいに成人をナメた思考を助長する作品の方がよほど問題が多い気がしますけどね。おっと話が脱線してきました、元へ。


FUJI PHOTO FILM  FUJINON 1.8/55  @ SONY α7

この桜海老がたっぷり使われたちらし寿司、非常に風味がよくて旨いのです。酢飯に合わせてあるのは桜海老の佃煮なんだけど、そのほかに錦糸玉子・油揚げ・蓮根・海苔…といったものがフィーチャーされているのだ。

食してみれば解ることなんだけど桜海老だけの単調な旨味や風味とは違い、それをジツに上手く補完する食材を組み合わせてあって、ほんのりと甘い桜海老佃煮のイイトコだけがクローズアップされるような取り巻きをキャスティングしてあるという印象だ。美味い!
こんなスゴいお弁当をドコが作って販売しているのかと言うと、以前にこの駄文日記「いなり寿司とかけ蕎麦」でも取り上げた“清水にある超有名な老舗高級寿司店”なのである。う〜む、サスガだ。たかがちらし寿司と言えどもこーゆー繊細なシゴトをサラッとやってのけるのは和食の優れた料理人さんならではのものだろうなあ。
ビールも外野の雑音に惑わされずにぜひ素晴らしい定番を育てていただいきたいものだ。「こんな人たちに負けない」なんて発言しなくても結構ですから、ぜひユーモアとウィットのある、そしてセクシイでエロスの利いた広告も楽しませていただきたいのですよ。




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