■ 懐かしい思い出
釧路での高校時代はよく泉屋さんというレストランで食事をしました。たいていは「泉屋風スパゲッティー」で、塩味のパスタには様々な具材が奢られていてとても美味しくいただいたものです。
ところがある日、写真部の先輩が「ピカタってやつが旨いんだぜ」といってその美味しさを語り始めるわけです。へえ~食べたこともないそのお味に胸をトキメかせながら聞き入るのでありまして、ナポリタンの上に件のポークピカタがド~ンと乗っているわけですよ。もちろん時を経ずしてそのピカタを食すわけですが、そりゃもう…てなわけで、懐かしい思い出の1ページなのですな。
あれから50年あまり、そのピカタはこうして我が家の食卓に戻ってくるわけです。あぁ懐かしいなあ、まさかこうして食すことになろうとは思わなかったぜ。まあ要は天ぷらのコロモ抜きで焼いちゃいました~みたいなお料理でしてね、タマゴの優しい風合いがたまらなくいいカンジなのであります。
相棒のお酒は「コレって絶対にワインだよね~」みたいな日本酒でしてね、開封してみれば案の定まるでワインにも似たものが目の前に登場するのです。ゆったり流れるフルーティーさがなんともたまりませんな。
さて肝心の『ポークピカタ』です。美味いですねえ、ふわりとした食感がクチの肥えたおっさんを魅了します。
う~ん、こいつはヤバいかも知れない。食べても食べてもその柔らかさがクチに残るのです、次々に放り込むうちに完食…あ~もったいないというべきか、それとも基礎的なところから味わうべきなのか…その回答は先延ばしにしなければならないのかとは思いますけれど、とにかく美味くてたまらないのです。
出来ればオカワリもう一枚といきたいところでしたが、残念なことにコレでお終いです。ええ口惜しいですね、どーしてくれるんだいって大騒ぎしたくなりますね、哀れな結末は認めたくないじゃありませんか。
くっそ~、わかったよ。次回は必ずこの仕返しをしてやろうじゃないか。ただしもう少しだけ薄切りにしたものを三枚準備して、そっと優しく焼きあげるのさ。ワインもきちんと準備しておきましょうか。
食し終えて『練乳いちご大福』をクチに含みながら考えるのです。ピカタはこうして我が胃袋に収まりはしましたけれど、あのころ食したお料理は今ごろどうなっているのだろうか…と。もしかして廃版?それとも脈々と生き続け、あの町の一角でメニューの座を確保しているのだろうか。
そろそろ行ってみたいよね、釧路に。
■ 歩いて三分
自宅から歩いて三分
電線などの障害物もなく大好きだったこのポイントですが
大規模商業施設の造成・建設で消え去ってゆくのであります
残念です