でらうみゃ~でかなわんわ(50)

角千本店の『みそざるうどん』

こだわりが生むナゴヤの味

お店に行って食したわけではなく、帰省に当って「ナニかナゴヤらしい食べ物はないものか」とスーパーで買い物をしているときに見つけた家庭用の食品なのね。
貝新さんの『あさりの時雨煮』は酒の肴にもイケてるし朝食のお供にもナイスなので即購入したけれど、「ざるうどん」を「八丁みそだれ」で食すってのは聞いたことがなかったし、ちょっとだけ迷った。けれども大手食品メーカーのコラボ商品でもなければ、ブランドだけ自社のOEMでもない、まぎれもなく自社開発・自社製造した商品であるのが心強かったし、なにより気温が上昇する五月には冷たい麺料理ってのもいいねぇって感じで購入してみたわけです。

パッケージには「まるや八丁味噌 赤だし使用」と金色のシールが貼られていたり「大分産の柚子こしょう」が添付されているなどフツーにソコラで売られている蕎麦うどん系の商品とはキアイが違うじゃないか。ただしお値段も二食入りで¥500弱とかなり高価な部類、こりゃ美味いに違いない…美味くあってもらわなくっちゃ困ると思いましたよ。

Carl Zeiss YC Planar 1.4/50 T*  SONY α7

「角千本店」さんも「まるや」さんも知らなかったけれど、帰宅してから調べてみると「角千本店」さんは大正七年創業で本社本店の他に三店舗を構える企業、いっぽうの「まるや」さんは延元二年(1337年)の創業でその後江戸時代になってから岡崎で八丁味噌を作り続けている企業、どちらも堂々とした老舗なのであった。

最高気温が真夏並みに上昇した先日、ようやく手土産に持ち帰ったコレが活躍する機会が訪れました。まあ基本テキに半生うどんを茹でて薬味を準備すればオッケーのお手軽クッキングです。
パッケージのフォトにあるように茗荷や刻みネギと白ゴマを用意しました。青ジソは当家の庭に未だ出てきていないのでスルーです。
やや細目でつるつるとのどごしのよい麺は「きしめん」のようなしなやかさと小麦のいい香りがします。とても上質な印象です。
そしてウリの「赤だしみそだれ」をつけて食してみると、なんとまあこれが味わい深くて美味いのですねえ、そりゃナゴヤだでよお。
甘辛バランスも申し分ないみそだれはダシも効いていて、そのまま飲んでもストレスを感じないくらい…そこにうどんを浸してつるり…あぁ美味い、ジツに美味い。
そしていろいろな薬味のアシストつきで食してみるわけですが、わざわざ「大分産の柚子こしょう」を添付している理由がここで明らかになるわけですね。八丁味噌独特の甘辛さにスッキリ爽やかな辛みの柚子こしょうが加担することによって、よりスムースにうどんの旨味と香りを楽しむことが出来るわけです。こーゆー体験は初めてだがや、でらうみゃ~でかなわんわ。
角千本店さんは製麺メーカーですが、直営する飲食店の評判もよろしいようでしっかり”名古屋めし”の暖簾を守っているようですね。スーパーなどの一般店舗で販売しているこうした商品にも老舗のこだわりが生きていてナゴヤの味を強く感ずるものです。


株式会社 角千本店(かどせんほんてん)
https://kadosen.co.jp/
愛知県名古屋市北区西味鋺5丁目113
TEL=052-901-8591




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柿の木陰から


気が付けば柿の新葉がすっかり大きくなっています
皐月の空
鮮やかな新緑
透き通る風


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Asahi Opt. Super-Takumar 1.4/50 (8-Elements)   SONY α7





大丈夫なの?

ゴヤの宿舎のご近所スーパーで購入してきた蕎麦
いちおー『奈良大和路 割子そば』ってなってますけど
お値段は驚愕の¥118
特売や見切り品ではなくコレが正価みたい

なんだか怖いもの見たさみたいなカンジでカゴに入れてしまいましたけど
食してみればフツーに美味しくてさ
揚げ玉・刻みネギ・海苔・だしつゆ…そしてちゃんとワサビも添付されています

生鮮食品なのにカップ麺より安いんだよ
これで利益は出るんですかねぇ…大丈夫なの?って思いますけど
とにかくメーカーさんの努力に頭が下がります





ネギボウズも花に

そんな蕎麦うどん類の薬味として欠かせないネギ
当家の菜園でも少々栽培してますが
春も過ぎてネギボウズに
そして花まで咲いちゃってさ


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Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200  SONY α7




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f:id:artfoods:20081202142609j:plain:leftkotamimiさま
はじめまして、おはようございます。
お褒めの言葉と読者登録、本当にありがとうございます。カッテな妄想と煩悩だけで書き散らしている日記なので、特定の方には楽しんでいただけるのではないかと…。
ただブログの体裁を極力スッキリ見せたいのと、ヒトや約束事に縛られるのがイヤで「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へ引っ越す際に全てのリンクを排除してしまいました。ちょっと寂しい気もしますね。
これからもよろしくお願いします。

カルボナーラ

クワトロフロマージュ

なかなかヤルじゃないか冷凍食品

美味いんですよコレが。たかが冷凍食品でしょ?なんてバカにしちゃあいけません、調理過程から全てをブラインドにしておいてコレを食したら、いったいどれだけのヒトが冷凍食品であることを言い当てられるかな…ってくらいに思ってます。

Asahi Opt. Super-Takumar 1.4/50 (8-Elements)   SONY α7

パッケージには「4種チーズのカルボナーラ」とタイトルされています。賽是利屋など庶民派イタリアンならそーゆー表記になるんでしょうけどね、ちょっと気取ったお店だと「カルボナーラ クワトロフロマージュ」なんてよくわかんねーけどありがたや~みたいなことになるのでしょうな。

「ふわとろ…」じゃありませんよ「くわとろ…」ですから。で、そのクワトロって何?ですよね、ヨコ文字表記すると quattro です、イタリア語で「4つの」って意味でして発音はクァットロ(最後の”ロ”は舌を上顎に接触させてブルブルさせるアレです)が一番近いかな。
ん~じゃあ「フロマージュ」は?ですよね…これはフランス語でチーズの事です。あれ?イタリア語とフランス語の合体かい…いやいや仰るとおりでござんす、カンペキに和製外国語でやんす。イタリア語で通すなら「クァットロ フォルマッジ」、フランス語なら「キャトル フロマージュ」となるのかな(たぶん)。まあニッポンじゃこれで通ってるんだからヨシとしておきましょう。

冷凍食品が美味いと言っておきながら正式な『カルボナーラ』の作り方を持ち出すのもナニですが、パンチェッタ(なければフツーのベーコンで代用可)をソテーし、香りが出たら生クリームをドバっと投入し、少し煮詰めたところにパルミジャーノレッジャーノのおろしたものをたっぷり加え、溶けてネバリが出てきたら火からおろし、卵黄を加えて手早く攪拌し乳化させ、そこに茹で上げパスタを加えてタタッとあえて完成…てなところですか。
そのチーズ投入のパートでパルミジャーノだけでなく、例えばゴルゴンゾーラとかモッツァレッラやペコリーノなど、まあ何でもいいから4種類のチーズを決勝戦に持ち込めばいいのである。豊かで複雑な味そして香りが拡がり、ひと味違うカルボナーラソースになるのよ。
そーゆー意味ではこの冷凍食品はよくやってると思います。ソース製造作業の内容を簡単に述べましたけれど、温度やタイミングを計るのがけっこー難しくてトーシローにはちょっと高い壁かも知れないからね、そこをサラッとスルーできるところがミニマリスト。お手軽かつ失敗のない完成品として、ヤボ用に追われる休日に有難い存在となっているのですよ。





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パステアフタヌーン

トリプレットの悦楽

クワトロの話の次はトリプレットですか…一義的な社会通念ですと生化学の用語なんですけどね、ここではカメラのレンズの話。あ~音楽の世界では三連符のことだったなあ…つまり「トリ」は3という数値がキーになっているコトバ群の看板みたいなものですね、スリーの語源でもあります。

虫メガネと違ってカメラのレンズは一般的には一枚単独の構成ではありません、複数のレンズを組み合わせて各種の光学収差を補正したり焦点距離を安定させる設計がなされています。その昔、イギリスの光学機器技術者が開発した三枚構成(凸凹凸の組み合わせ)の写真撮影レンズがトリプレットと呼ばれるものの元祖です。
現代のレンズは最低でも4枚構成、高価で高級なレンズでは20枚を超えるものも珍しくはありません。しかし構造が簡素でコストを低く抑えられるのにソコソコの描写をするトリプレットタイプは、1970年代まで一部のニッポン製普及版一眼レフのキットレンズとして製造販売されていたわけです。
因みに本日の『カルボナーラ』のフォトは1960年代に旭光学が製造販売したスーパータクマー50mmF1.4で4群8枚構成の珍品高級レンズで撮影しております。

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PASTEL AFTERNOON   FUJI PHOTO FILM FUJINON 2.2/55  SONY α7

正確に分析しますとこの FUJINON 55mm F2.2 というレンズはトリプレットを改良したスピーディック型レンズ構成でして貼り合わせのない4枚ものです。…が、基本はトリプレットの延長線上にあるものですね、世界的に見てもなかなかに珍しいもののようです。
とは言ってもけっこータマ数は多い(それだけ高度経済成長期にたくさん売られていたってことです)ので入手に苦労することはありませんが、上のフォトのようにかな~り特徴的な写りをするので、巷のオールドレンズブームや銀塩フィルムカメラ復活でインスタ映えする写真が撮れるってことなど人気が出てしまい、モノのわりにお値段は「えっ?」って感じに高いのですよ。うふ、ボクは別件で入った某リサイクルショップで FUJICA ST605 というフィルム一眼レフにくっついて販売されていたこのレンズを発見しましてね、お値段が¥1600だったので即買いしてしまいました。カメラ本体に不具合があるのでジャンク扱いだったようですが、レンズを外して覗いてみればけっこークリーンでカビや曇りの兆候はありませんでした。店員さんが心配して「お客さん、これジャンクですよ」と念を押してきましたが、な~にレンズさえ生きていればボディーはどーでもいーのよ…とウキウキで持ち帰りました。

庭のベニバナドウダンツツジを絞り開放で撮影してみます。かなりゆるふわな映像です。そしてバブルボケと呼ばれる大きなリング状のボケが盛大に発生しています。絞り込めばキリッとしてくるらしいのですが、それじゃあ面白くありませんよね。ソコがこのレンズのレゾンデートルなんですから。

寿司折詰

寿司屋のプライド

母上が「お家でゆっくりお寿司を食べたい」なんて所望をされていたので近所のスーパーに走った。
走った…ってホントに走ったワケではなくてクルマで行ったってことなんですけどね、そのクルマで行くってことも”クルマを飛ばした”なんて表現する場合もあります。いや~本当にクルマを飛ばしたら道路交通法違反あるいは器物損壊の罪に問われて大変なことになってしまうわけでして、日本語ってのは本当に面白いですね。
因みに静岡弁では急いで行ったってことを”飛んでった”と言います。ヒトに「急いで来てちょ」と伝えたいときには「飛んできて~」とお願いするわけですね。なんかちょっと微笑ましいカンジもします。そうそう、先月まで北海道からナゴヤに出稼ぎに来ていた人たちと一緒だったのですが、会話の中で「投げちゃったべさ」というコトバを聞きましてね、いや~懐かしい!とカンゲキしました。それは標準語で言いますと「捨てちゃったのよ」って意味でして、これもよく考えたらけっこー言い得て妙な表現です。

OLYMPUS OM-SYSTEM G.ZUIKO AUTO-S 1.4/50  SONY α7

そうした真っ当な使い方の日本語表現には人間の温もりさえ感ずるものでありますが、近ごろは大袈裟を通り越して…というか意図的に大袈裟にするならまだいいのですが…バカじゃね~の?みたいに明らかな誤用が蔓延していてジツに不快な思いをすることも多くなりました。もう何度もこの駄文日記に書きましたけど、何でも「号泣」ってなんとかなりませんかねぇ、カンベンしてくださいマスコミ諸君。きちんと辞書をひもとき「号泣」の意味を勉強しなさい。

おっと、脱線…しかも長すぎ書きすぎ吠えすぎ。元に戻しましょう。
何でしたっけ?あ~そうそう、走ったのねスーパーに。そのスーパーではときどきこんなリッパな寿司を売っているのですよ。彩豊かでゴーカなプリントが施されたプラトレイではなく、寿司屋さんで注文して作ってもらうような”折詰箱”ですね。
そしてそこにギッシリ並べられた高級ネタの握り鮨が寿司屋のプライドを感じさせます。って、スーパーの寿司コーナーじゃないの?ですよね。そうなんです、そのスーパーに寿司コーナーは二つありましてね、ひとつはフツーのお惣菜プロダクツとして。もうひとつは魚屋も経営する寿司屋さんのコーナーです。
もちろん見慣れた寿司パック形式が殆どですが、こうして昔ながらの折詰ってやつを根気よく並べているわけです。
きっと店長(元は大将だったのかなあ)のプライドにかけてこいつを作り続けているのでしょうな、またそうしたココロを感じ取る客もおられるわけでして、並みの寿司パックなら2つは買えてしまうようなお値段であっても、長い間絶えることなく供給されているのですよ。
お味はもちろん二重マルです。ハデな演出はありませんが、上質な「食の粋」があります。一緒にいただくお酒もなるべく佳いものにしてシツレーのないようにします。


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小手毬


窮屈な場所から少しヨユーのあるところへ移植したのが一昨年
かなりリッパに盛り返した昨年でしたが
今年はいっそうその姿を大きくした小手毬(コデマリ
まるで枝垂れ桜のように妖艶


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Carl Zeiss YC Planar 1.4/50 T*  SONY α7





今朝の富士山


憲法記念日
上空の雲が美しい朝になりました


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5:18am. May. 03. 2019. @Fujinomiya-City   Nikon NIKKOR-UD 3.5/20  SONY α7

支那忠分店

昔ながらの『支那そば』

その前に…庭の梅

用足しに出かけるのは午後にしようと思っていたのだけれど、問題は昼めしなのであります。お家で済ませてしまえば手っ取り早いのですが、ここしばらくラーメンってものを食していないことに気が付いてしまい、そんならやっぱりアノ店のアレがいいよね~なんてグズグズ考えながら庭でタバコをぷかぷか…正確に言いますと雨がけっこー激しく降っているので軒先でそれを避けながらなんですけどね。

そして眼前の梅の木をぼ~っと見ていたら、あれれ~けっこー実がなってるじゃありませんか。そうだよな、二月の中旬に花は満開になって、そこから実をつけてふくらんでゆくんだ。出張で家を留守にしている間にもしっかりと成長していてくれるのですね、まあ毎年のことですが有難いことです。この先は梅雨の真っ最中に収穫するわけでして、あと50日くらいですか。ただ出張生活との絡みがどんなふうになるのかちょっと心配です。

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AF-S NIKKOR 4.5-5.6G/70-300 ED VR  Nikon D300

それにしてもこの雨、なんだか恨めしいなあ。アノ店はちょっと遠いってところまではいいんだけど、観光客で渋滞するバイパスを超えて行かなくちゃならないのがいかにもメンドっちい。どこか近くでいいお店があればいいのに…って、あるじゃありませんか!
ですよですよ、通称「旧道」(正式には県道397号線:富士根停車場線)と呼ばれる古くて狭い道路沿いに昔っから在るラーメン屋さんが。

外観も昔ながら

店舗前とその横にクルマは6台くらい停められるかな、けれども意外に交通量の多い旧道からバックで入れるのは通過車両の隙を衝いての動きになるので忍耐が必要な場合もある。到着したときは満車だったけれど運よく一台の乗用車が出るところで、やはり何台か通過車両をやり過ごしてようやくネジ込んだ次第。

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お店の中も小さい。10~12人も入れば満席かな。みなさんギッシリの相席はこちらではごくフツーのことのようでして、ボクも空いたスペースに母上と共に腰掛けるわけです。
さて今回は『チャーシューメン』にしました。お店の前面壁に掲げられた看板には「 昔ながらの支那そば なつかしい味です」と書いてありまして、とても楽しみです。

Canon Camera SERENAR 3.5/50(L39)   SONY α7

おぉ~っと!バーンときましたね、超シンプルです。
色の濃いスープはそんなに複雑な味ではありません、モロに醤油ダネの味が塩分と共にクチに拡がります。が、決して不味いとかそーゆーことではなくて、麺とチャーシューを味わうためのベースとして出しゃばることのない役割をわきまえている感じです。
自家製の玉子麺はしっかりとした歯ごたえのストレート、小麦の風味がマジメに活きている美味しさがありますね。そして驚愕のチャーシューが待っていました。スゴいです、こいつは。
厚くスライスされたそれは豚バラ肉のもので、巷のチャーシュー麺のようにキレイに並べられているわけでもありません、ドドッと重ねるように中央に沈めてあり喰っても喰っても底から登場してくるような満足感があります。まるで角煮のように柔らかく仕上げられ、旨味と歯応えそして凄みさえ感じるその風味に完全にノックアウトされます。美味いっ!

支那そば』の定番キャストであるナルト巻やメンマも楽しみながら満足して食し終えました。ぶっきらぼうに刻まれたネギさえもこの一杯の完成度を高めている気がします。

このお店でラーメンを食したのは何十年ぶりだろう、確かムカシはごくフツーの中華料理屋さんだった気がするなあ。その時はまだ若くて食欲モリモリの時代だったから中華丼とギョーザとラーメンをイッキ喰いした記憶があるのよね。
現在は用意されているメニューとしては基本的にラーメンとチャーハンだけです。こうした生き方もあっていいんでしょう、かつては富士・富士宮を中心とした岳南地区に何店舗も暖簾分けが存在し栄華を誇った「支那忠」さんの一族、このところすっかり見かけることはなくなってしまいました。時代の流れもあるのですかね、そのほとんどが廃業っていうことで。コアなファンも多かったと聞きますが残念なことです。

それにしても次から次にお客さんがみえまして、昼どきはずっと満席が続いていた「支那忠分店」さんです。みなさんラーメン&チャーハンを注文されてまして、”知る人ぞ知る地元の名店”なんて云うカッコではなくて、ごくフツーに当たり前に食べるソウルフード、安心していただけるお昼ゴハンのお店みたいなものかな、心温まるものがあります。
好きです、こーゆーお店。帰省期間中にもういちど行きたい。


支那忠分店
静岡県富士市天間 731-2
TEL= 0545-71-3915
ACT=11:00-14:00 / 17:00-19:00 月曜定休





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ベニバナドウダンツツジ

今が盛りです
庭の駐車スペースに干渉する位置にあるのでイジメ抜いているんですけどね
こうして紅い花を毎年咲かせてくれます
秋には葉がオレンジ色がかった真っ黄色になるのも楽しみなんです


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FUJI PHOTO FILM FUJINON 2.2/55  SONY α7

新筍のパスタ

芝川・内房地区特産の新筍で春にサヨナラ

哀愁のイナカ町・富士宮の西に位置する旧芝川町(平成二十二年に富士宮市と合併)は一級河川富士川とその支流がいくつもあるエリアだ。水が豊富であることは農耕に有利ではあるけれど、同時に氾濫などの水害を発生させる原因にもなっていたので古の人々は各所に竹を植えて山や土手の強化につなげていたのよね。
竹林がたくさんある…ってことはタケノコもたくさん産出されるわけなのであって、春になると富士宮市内の各所店頭にその新筍が並ぶわけです。特にこの芝川の内房(うつぶさ)地区のものは品質がよくて食味もたいへんに結構なものなのよね、だからヨソの地区のものに比べて倍ぐらいのお値段で取引されているのです。おサイフにヨユーがないと購入決定に至ることはなかなかに難しいのでありますが、今回は母上がバカ息子の帰省に合わせて購入してくれてあったのですね。

Arsenal V.I.Lenine MC HELIOS-81N 2/50  SONY α7

ですからそれを使った料理をかな~りチカラを入れて作って差し上げなければならないわけなのですよ。やはりここは例年評判のよろしいパスタで…てのがあまりチエやサイフを絞らなくても出来るメニューなのでありましてね、早速調理に取り掛かるエロおやぢなのであります。

長い出張とその宿舎生活だったためテメーで調理をするのは久しぶりです。まあそうはいっても慣れた作業ですからどーってことは無いんですけどね、ちょっと変わったパスタ乾麺を購入ストックしてあったことをすっかり忘れていましてね、フツーはDeCeccoが一番多いかな…次にBarillaかBuitoni。本当はLaMolisanaとかGarofaloもそこに加えたいんだけど、哀愁のイナカ町では見たことありません。
だから静岡市内のデパ地下や輸入食料品店などで見つけると幾つか購入しておくわけです。そんなある日、お目にかかったことのないブランドのパスタ乾麺が売られていました。しかもイタリア産だし安いときたもんだ、こりゃ買わないテはないでしょ…てことで二種類ほどお試しに購入してあったものです。
今回はフォト上のLiguoriってほうを使用してみましたが、大好きなDeCeccoに似た印象でちょっとカサッとした表面がいい感じにソースを吸ってくれて、なかなかに使えるパスタなのでありました。
おっとそんなハナシより『新筍のパスタ』ですよね、うっひっひ~やっぱり美味いですよ。これだけ元の素材がいいとテキトーに作ったってそこそこ美味しいものが出来ちゃうものですけれど、年に数度しか食べられない貴重な食材だと思うとやっぱり本気で作りたくなるもんです。
香り、甘み、食感…どれをとっても一級品の芝川内房の新筍、パスタに絡んでサイコーです。これで春にサヨナラですね。
トッピングの山椒の新芽?あ~庭の隅に出てるやつをちゃちゃっと…。こーゆーパスタってイタリアのヒトが食したらどう思うんでしょうねえ。




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雨の連休スタート

小寒かったけど快晴のナゴヤを出て静岡に戻った途端に雨。しかも連休スタートは連日雨天のスタートなのであって、アソビ計画を念入りにプランニングしていた方々には本当にお気の毒な平成末日なのである。

いろいろとヤボ用も多くてシュミのことばかりにかかずらってはいられないのだけれど、先月初めにヤフオクで落札したニコンのレンズが実家に届いていて、早く試してみたくてソワソワしちゃっていたのよね。
ボクは基本テキに単焦点のレンズが好みなんだけど、やっぱりズームも時には便利だし…それにプロ用と云われ当時10万円以上したF4通し80-200mm高級ズームレンズ極上コンディションが今では格安にゲット(落札価格は1樋口さん)できる時代になったのよ、買ったってバチは当たんねーだろってなもんさ。
ジツはその旧タイプでF4.5同焦点の歴史的名玉も持っているんだけど、光学性能が格段に向上していると聞けばウズウズしちゃうわけだし、0.5の明るさの差も大きいに違いない…という言い訳だらけのドロ沼住民である。

で、早速試用してみた。あいにくの雨なのでタタッと撮れる対象を庭で探すわけだ。
そして片隅で毎年咲いてくれるスズランが今年も綺麗に咲きそろっているではないか。好天のスッキリ画像もいいんだけどね、雨の湿度を感じるような風情もけっこースキっていう偏屈者です、これに焦点を絞りましょうか。

う~む、最新のレンズのようにカリカリ描写ではないけれど、柔らさとピンポイントなエッジのある合焦点が同居する描写はなかなかのものではないか。ボケの味わいも悪くないし、実用現役オッケーでしょ。

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雨中鈴蘭乃図  Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200  SONY α7

旧タイプはどちらかというと骨太な描写だったけど、新型(と云っても20年以上ムカシのものですが)はかなり繊細な結像と洗練された色彩を生み出しています。
今では見かけることもない直進ズーム方式ですが、ゲットした個体は摺動部がスカスカになっておらず、まるで新品のようなネットリ感が保たれているところがステキです。まあスペックやメカのことより「何を撮るか」なんですけどね。


そんなスズランで思い出しました。
平成のシゴト最終日は例の「カフェドすずらん」さんに行きモーニングサービスでコーヒーをいただいてきたのでありますが、食し終えそろそろシゴトに向かいますか~と思っていたら…

なんとおねーさんがコレもどーぞと『みたらし団子』を出してくれましてねぇ、緑茶までサービスしていただくなんて…まあなんてラッキーな一日のスタートなんでしょ!となったわけです。
シゴトへ急ぐ朝じゃなければねぇ、もうちいっとゆっくりしたかった「カフェドすずらん」さんであります。

ベトナム料理を食べに行こう

お店で食べるのは初めての『フォー』

ベトナム家庭料理 「Hong Ha」(ホンハ)

かつて南北に分断され資本主義-共産主義各国陣営の覇権争いの場となったベトナムは70年代に統一を果たし、その後ゆっくりながらも経済発展を続けてきた。共産主義国とはいえ勤勉な国民性もあって先進諸国からの投資も盛んになり、80年代にはアメリカのクリントン政権もその制裁解除に踏み切ったほど経済が活性化しているベトナム社会主義共和国である。

そんなベトナムから出稼ぎで我が国にやってくる人々も多い。マジメで勤勉…とインドネシア人と並び概ね雇用者側の評判は良いようである。ボクの住む哀愁のイナカ町でもけっこーな人数がいるし、何人かのベトナム人は知人でもあって彼らは皆フレンドリーで平和主義者で善良な市民生活を送っているのだな。

そして考えてもみればボクはベトナム料理というものを食したことがないようなのね、タイやフィリピンあるいはインドネシアといった近隣の東南アジア諸国料理はあるのにねぇ、ってことでGoogleMapで見つけたそのお店にいってみることにしたのだ。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

八事山興正寺参拝の後に向かったので飯田街道を南に進めばスグの位置…のハズなんだけど、店舗は反対車線側なので少し先まで行きテキトーな交差点でUターンしなければならない。そして到着してみればお店の前にもウラにもヨコにも駐車場はなく、反対側車線に面するラーメン屋さんのヨコがこのお店の契約駐車場なのであった。なんだよぉ、苦労してコッチの上り車線に入ったのに、また元の下り車線に戻らなくっちゃならないのかい…知っていたらすんなり入店できたのにさ。
クルマで行かれる方は事前によく周辺の道路状況と駐車場の位置を確認してから行動されるとよいでしょう。ただし前の道路には中央分離帯と生垣があるので”駐車場の位置はお店の向かい”でも近くの信号機のある場所までグルッと迂回してゆかなければならないことを申し添えておきます。

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店内はごくフツーのレストランでした。ただ飾られているものがベトナムちっくな感じで、異国情緒をちょっとだけ感じることができます。かなりダークな照明で(フォトは実際の印象よりも明るく仕上げてあります)先客がいなければ「もしかしてやってない?」みたいなカン違いをしそうですが、ミュージックがアチラ系でなかなかに面白い空間です。そういえばインド料理店もこんな感じのお店が多くて、BGMも例のクネクネ民族音楽と決まっているところが似てますな。

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さて、料理の注文です。ウェイトレスはやはりヴェトナミイで、明るく礼儀正しい接客です。
彼女が持ってきたメニューブックの中から日曜限定のランチサービス『フォー・ガー(ベトナム風鶏肉のうどん)+ベトナム風揚げ春巻きのセット』をお願いしました。すんごくブナン過ぎるオーダーのような気もしましたからナニかもう一品…ってことで『ゴイ・スア(エビと豚肉とクラゲのサラダ』も頼んじゃいました。

先に運ばれてきたのが前菜テキなサラダ『ゴイ・スア』です。
胡瓜や人参の千切りに甘酢ダイコンのスライスなどがサニーレタスの敷かれた皿の上でベースとなっていて、ボイルした小海老や豚肉そして味付けクラゲが中央に山盛りされています。
そこにパクチーなどの香草とニョクマム系ドレッシング、ぐるりと周囲に揚げ煎餅、フィニッシュは煎りピーナッツを挽いたものがたっぷりかけてありました。

MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

おっとっと~、美味いじゃありませんか!困りましたねえ、ビールを飲りたくなるってもんです。
フォトのように揚げ煎餅(サクサクパリパリと柔らかめ)に乗せてカナッペのようにいただくのもよし、皿の上で煎餅をバリバリに割っては散らして食すのもまた一興、いづれにしてもエスニックなお味でパクチーの香りやニョクマムの旨味がぐわっと喰い込んでくる個性派サラダです。
まあ出来れば独りで全部喰うよりも2~3人で取り分けてちょっとづつ楽しんだ方がいいかな。ボクは全量で満足しましたけどね。

さあメインのベトナム・フォーです。メニューブックには「…うどん」と記載されておりましたが小麦粉の麺ではなく、コメが原料のレッキとしたフォーであります。
現地レポートや紀行番組ではこのフォーを屋台で食す民衆をよく見ますし、そんなフォーを食べてみたくて輸入食品店で購入してきてはテメーで何度も作って食してはおりますけれど、外食でフォーを食すのは初めてのボクです。
牛肉のスープのものと鶏肉のスープのものがあるようですが、今回はアッサリしてそうな鶏肉のものを選択しました。

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MINOLTA  M-ROKKOR 2/40  @ SONY α7

うっわ~、めっちゃ美味いですねえ!キツい部分はこれっぽっちもない優しいお味、塩味さえ控えめですんなりカラダにシミ込んでゆく感じがします。はんなり漂う香草の風味がたまらなくベトナムの空気を想像させますね、行ったことありませんけど。
つるつると滑らかに、そして薄くヴェールのように鶏スープを纏った麺が舌の上で踊り、ノドをすり抜けてゆく感覚が他の麺類にはないステータス。現地の人々が朝めしにこれを食す気持ちがよく解かる気がします。とにかく美味い。
因みに中華麺のようにレンゲではなく、ステンレス製の円いお玉で食すところがアチラっぽくて笑えますね。

ベトナム風揚げ春巻はスイートチリソースをつけて食すものでしたし、生野菜と甘酢漬野菜が添えてあり栄養価的にも申し分ありません。もちろん美味しくいただきました。フォーのお供としては単品でこの揚げ春巻を追加するのもいいでしょう。

ランチのサービスでドリンクがついてきます。きっとフォーを喰ってアセダラになるからアイスコーヒーが正解かな…と思ってソレを注文しましたけれど、これがまた大的中でしてね。
とてもユニークだなと思ったのは、ステンレスのドリップ器は底に小さな穴が開いていて、そこから抽出されたコーヒーが下に置かれたグラスにちょろちょろゆっくりと落ちてゆきます。そしてある程度溜まったら氷の入ったグラスに注ぎ移し、シュガーを溶いて飲むという儀式なのです。
こーゆースタイルのアイスコーヒーは初めてです。シュガーはガムシロップではなく湯飲み茶碗に入ったグラニュー糖ってところがアチラっぽくてまたまた笑えます。氷グラスにコーヒーを移したあとでは溶けにくくなるような気がして、グラスに氷だけの時にグラニュー糖を予め入れておきましたが、これも正解だったと思います。
クリームやミルクだけでなくストローまでもがついてきませんが、シュガーオンリーのアイスコーヒーをグラスをグイッと持ち上げて直接飲むのもストレートで潔く、また一般庶民の生活感があっていいものです。

いただいたもの全てが美味しかったと思います。出来ればもっとベツの種類のお料理も食してみたいものですが、やっぱりこのテのレストランは何人かで行って取り分けて楽しむほうがいいに決まってますものね。シゴト先はおろか地元に帰ってもこうした食事を楽しもうなんていうシュミの合う友人がいない人生ってどーなんでしょ、寂しいものです。


ベトナム家庭料理 Hong Ha(ホンハ)
愛知県名古屋市天白区八幡山734-1
TEL=052-835-8533
ACT=11:00-15:00 / 18:00-24:00(土日祝日は通し営業) 月曜定休




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久しぶりに富士山


少し霞みがかった空
もうじき田植えなのに南西麓には雪がたくさん残ってますね  


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6:11AM. April. 28. 2019. @Fujinomiya-City    Nikon Ai-S Zoom-NIKKOR 4/80-200 SONY α7

でらうみゃ~でかなわんわ(49)

噂のにゃごやモーニング その30 「 おうちごはんと珈琲の店 オルセット 」

お替わり必至のコーヒー

八事の興正寺に行こうと決めたけど、やっぱり近くでモーニングしてハラごしらえしないと…ってことでGoogleMapを眺めてみるわけだ。おぉ~ナニやらよさげなお店があるじゃん。「 おうちごはんと珈琲の店 オルセット 」ねえ、日曜日も朝は7時から開店しているからちょうどいい。

オルセットってどーゆー意味?と思い調べてみたらイタリア語で子熊のことらしい。
う~ん、もしかしたらテディベアなどのぬいぐるみや置物が大量に飾ってあるメルヘンチックなお店かも…だとすると、あんまり趣味じゃないかなあ…なんて思いつつ、やっぱり「おうちごはん」という呪文につられて行ってしまったのね。
到着してみると可愛らしいお店だった。お店のヨコの駐車スペースは一台分しかないのだけれど、運のよいことに空いていた日曜日の朝7時30分ころです。
テーブル席は埋まっていて椅子が三つほどのカウンターしか空いていない、まあシカタないよね…ってことでとりあへず腰掛けたけど、すぐにテーブル席が空いたのでそちらに移動させていただいた。
入口のドアの脇にはクマさんの大きなぬいぐるみが置いてあったけど、店内はそのテのものは少しだけでちょっとホッとしましたよ。それよりなかなかにステキなインテリアじゃありませんか。BGMは70'sのPOPSが最初に流れていたけれど、いつの間にかオルゴールのものに替わっていいました。

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お店の客席は各5つのテーブルと椅子がロングソファと組み合わさってフレキシブルな対応が出来るようになっていることと、小上がり座敷のようなスペースもあって乳幼児を連れたヒトでも利用しやすい構造になっているところが面白いですね。

さてさて平素に比べて大幅に遅くなっている朝食タイムです、とってもハラがすいてましてね、早くブレックファストを食したいわけです。メニューブックを見るとドリンクにパン・茹で玉子・サラダのAセット、おにぎり・茹で玉子・小鉢のBセットがあります。そのほかにワッフルモーニング(ドリンク代金+¥250)やスープモーニング(同+¥300)がありましたが、プラス¥200でいただける『DXモーニング』がありまして、お~っしコイツで決まりだぜ!とお願いすることにしました。

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いや~ん、めっちゃいい感じじゃありませんか。カリッカリのバタートーストにたっぷりの生野菜サラダ、ハム、フルーツ、そして少し大きめのオムレツ!
慌てて食しちゃいけないと思いつつ、ハラペコと美味しさの相乗効果でスピードコントロールが利かない。プラス¥200ながらとっても質の高いプレートです、これはお値打ちです。
そしてもうひとつ特筆すべきことは、何よりこの店のコーヒーが美味しいってことなのです。有機栽培のペルーを一杯づつ丁寧に淹れるハンドドリップ、こんなにふくよかな味と豊かな香りのコーヒーはそうあるもんじゃありませんってば。もちろん「お替わりお願いしま~す」は必至です。

新潟産のコシヒカリを自家精米したり、とにかく手作りした家庭料理を提供するお店のようです。ホントはモーニングタイムだけじゃなくて、ランチにもおじゃましてその「おうちごはん」を享受してみたいんですけどね。


おうちごはんと珈琲の店 オルセット
http://www.orsetto.net/
愛知県名古屋市昭和区曙町3丁目17-3
TEL=052-731-3182
ACT=7:00-17:00 水曜定休第一+第三火曜日




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八事山 興正寺

名古屋市の中心部(名古屋城周辺)から見て南東に位置する小高い丘陵地の八事(やごと)、ここに興正寺(こうしょうじ)がある。正式な名称は「八事山遍照院興正律寺」(やごとさんへんじょういんこうしょうりつじ」だ。
開山は貞享三年(1686年)で江戸文化が華やかに開花する元禄時代の直前である。

興正寺マルシェ」で賑わう参道を通り中門をくぐると国の重要文化財である五重塔の前に出る。文化五年(1808年)の入仏まで十二年もの歳月をかけて造られた塔の前には、高さ約7m・重量約6tで青銅鋳造漆塗り仕上げの「釈迦牟尼大仏」が鎮座している。
正面からはもちろん有難いそのお姿ですが、ちょっと高い位置から後姿を拝むのも面白いと思います。

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寛延三年(1750年)に建立された西山本堂には本尊である阿弥陀如来が奉安されていますが、上部に掲げられた額が山号でもなければ寺号でもない、そしてその文字が”読めない”っていうテメーの学のなさを憂いてしまうのである。因みにその横に掲げてあった額もフシギな画と文字が書かれていたので、近くにいた雲水さんに訊いてみたところ、彼も解らないということだった。

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西山本堂を出てさらに上を目指す。そこには享保二年(1717年)に尾張徳川家から寄進・建立された「能満堂」があるけれど、急な石段のため脇にはエスカレーターが設置され高齢者やハンディキャップへの配慮がなされていた。
球状の木でできた供物のようなものがあったり、他の建物とは違った風情のある建物だった。少しだけ乱雑な周辺は美しく整備されつつある模様。

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そこからさらに歩みを進めると女人禁制と彫られた石塔がある女人門址に至る。西山と修行の場である東山の境であり、かつては中門がこの場所にあったのだそう。
カギの手に並ぶ九品仏(くほんぶつ)や日陰の塀でひっそり過ごす二仏など、そこから大日堂への道のりも興味深い。

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八事山の最も高い場所に位置する「大日堂」、幟がはためくここも現在整備の途上のようだった。
堂の周囲をグルリと囲む回廊には梵語の文字板とお鈴や線香立てと浄財箱が置かれ、何か修行をするのかそれとも願い事をするためのものなのかよく判らないけれど、とにかくこうしたスタイルを見たのは初めてだ。

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堂内の「大日如来」、興正寺の総ご本尊さまである。元禄十年(1698年)に尾張徳川家二代藩主・徳川三友公が母の供養のために鋳造させたもの。

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東山から下り西山方面へ再び上ってゆくと鐘楼や観音堂がある。ここにも数多くの幟が立てられ様々な願い事と共に奉納されている。

この興正寺は多くの札所としても知られ、知多四国八十八ヶ所霊場第88番札所・名古屋二十一大師霊場第21番札所・東海三十六不動尊霊場第36番札所・尾張三十三観音霊場33番札所・東海百観音霊場第33番札所・なごや七福神・大名古屋十二支卯年本尊札所…と権力の大集中なのか、それともそれだけ霊力のある仏さまがいらっしゃるからなのか、本当に珍しい寺院となっている。

また五重塔が国の重文であることは前述したけれど、そのほかに名古屋市指定文化財である「梨木禽鳥図屏風」「唐人物図屏風」「木造観音菩薩立像」など貴重なものが数多く現存する。

そんな高貴な場所のはずなのに、露店の出る縁日が毎月三日(5日に大随求明王・西山本堂、13日は虚空蔵菩薩・能満堂、そしてこの21日が弘法大師・弘法堂「興正寺マルシェ」)も行われ、広く庶民にも開かれた寺院のようだ。

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広大な墓所と境内のためクルマ社会となった現代ではそれに対応するスペースを確保しずらいわけであるけれど、興正寺さんは接続する国道153号・飯田街道からすぐに入れる立体駐車場を設備としている。
最初はミスして入ってしまったかと心配したけれど、間違いなく立駐がお寺の公式駐車場である。当然有料ではあるけれど高くはない。またこのようにマルシェなど縁日が開催されている日は終日定額¥300で利用できるようになっていた。有難いことである。

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一日一組限定の貸し切り結婚式なんてものもプロデュースしているようで、尾張徳川家の帰依と二百数十年の歴史が積み上げられた名刹ブライダル…ご結婚をされるお二人ににはソレナリな責任を持っていただかなければなりませんな。ちょっとプレッシャーあり過ぎな感じもしますけど。まあ覚悟がおありならどうぞ…。


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八事山 興正寺
http://www.koushoji.or.jp/
愛知県名古屋市昭和区八事本町78番地
TEL=052-832-2801




帰り際の一枚
ごった返す中門前の参道は「興正寺マルシェ」
第一丸宮さんというお店で購入した漬物がめっちゃ美味かったです
フォトは?
ごめんなさい、全部喰っちまいました