鯖の味噌煮  

 この時期近海の定置網で獲れた秋サバは身が厚く脂の乗りも申し分ない。だが魚屋にどんなに新鮮でリッパな魚が入荷していても、その日の事情で購入調理が難しい場合もある。



 先日もミゴトなサバが氷詰めにされて店頭に並んでいたが
「昨日はウナギだったしな〜」
と止む無く見送ったばかりだ。
 魚料理がどーしても食べたい…
買い物に出かけない日に限って強い願望を抱いてしまうコトもあり、そんな時にベンリなのが冷凍切り身の魚だ。
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 駿河湾産「真鯖」加工地焼津小川漁港と表示されており出所は確かなようで、コレなら安心して使えそうである。
解凍して使うワケだが、家族の人数や食べる量に合わせて準備すればよいのでムダがない。畜肉と違い魚は残ると始末が厄介だから非常に助かる。
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さてこの味噌煮の調理のキモである。
ボクは鯖を一旦素焼きしてから味噌で煮るコトにしている。
焼きの工程で余計なアクや脂が抜け透明度の高い味に仕上がるばかりでなく、煮た時の身くずれ防止にも一役かってくれるからだ。
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古根生姜のスライスをたっぷり効かせ、ちょっと甘めに仕上げるとゴハンはもちろん日本酒の恰好なお相手となる。
焼葱を添えるのがオキテになっているが、この時期ならば秋ナスなどの素揚げや焼きを添えるのも素晴らしいコントラストを生み出すだろう。


丸々と肥えた寒鯖が出始めたらバッサリと筒切りにして食してみたいものだ。
そのトキの付け合わせと酒をナニにするか…まだまだ先の話なのに、ついニヤニヤと考えを巡らせてしまうのである。