駿河湾の幸  

桜海老とシラス、いずれも静岡の海「駿河湾」の名産品だ。
漁業資源の保護のため禁漁期間が設けられているのは桜海老で、現在市場に流通しているのは9〜11月の秋漁で獲れたものを凍結保存したものである。



 炊き立てのゴハンに釜揚げシラスを乗せちょいと醤油をたらして食す快楽はコドモのころからのお馴染みであるが、飲食業の発達とともに新しい味へのチャレンジも行われ食卓での選択肢が拡大しているのも嬉しいコトである。
考えてみればゼイタクな丼ではあるが、旬の出会いがもたらす味の共演がジツに素晴しいヨロコビを届けてくれると云うものだ。
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 スーパーの鮮魚コーナーにあった桜海老の釜揚げですっかりソノ気になったボクは、茹でシラスも購入して『駿河丼』モードに突入した。
ゴハンに海苔とシラスと桜海老を散らしてワサビ醤油でバックリと食べる…という至極シンプルな食べ物であるが、一杯飲ったアトのシメにはもちろん朝ゴハンとしてもこの上ないシアワセを噛みしめるコトができる。
 もう少し保存食系で行きたいという向きには海苔+刻み青菜+ちりめん干+干桜海老というテもあるが、ソフトな食感と素材の持つ甘味旨味という点からすればアットーテキにこちらに軍配が上がるだろう。
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 そして意外に知られていない名品の一つに三保沖の真鯛というモノもある。グルメな話題とはカンケーないが三保純ちゃんの出身地でもある三保は静岡市清水(旧清水市)の清水港折戸湾を形成する半島であり、伝説で有名な「羽衣の松」のある名所だ。
急深で流れの早い三保沖の鯛は身にシマリがあって良質だといわれ、通年釣り人で賑わうポイントでもある。数年前までは毎年年末になると出かけては正月用の真鯛を釣ってきたものだったが、このトコロご無沙汰というのはちょっと寂しい。
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 その鯛のお頭を兜煮にしてみた。予算の都合上お造りは買えなかったが、アラ&おカシラは笑えるほど安く手に入れるコトができる。見逃すのは犯罪に近いミステイクなのだ。
こんな駿河湾の幸を肴に飲る日本酒の美味さ…どーですか、今夜もう一献。