旭川の醤油ラーメン『熊出没注意』


 珍しいインスタント麺を友人が送ってくれた。昭和23年から旭川製麺を営む会社の製品だが、なんともインパクトのあるパッケージデザインがラーメンという食品のイメージから乖離している印象があるといった話を家族にすると「北海道だから外国人観光客も多くて、このほうがいいんじゃないの?」との意見もあり、ナルホドと合点がいったワケなのだ。
 油揚げ麺ではなく乾燥加工麺なので茹で時間が多く必要になるが、その分だけコシと風味が生きていて美味しい。製麺メーカーとしてのプライドがこうした素晴らしい製品を生み出すのだろうが、カンゲキしたのはスープなのである。

 寒い土地に暮す人々の知恵で北海道のラーメンスープは脂のしっかりと浮いたタイプが多く、ソコからカロリーやエネルギーを摂取する仕組みは小さいコドモの頃から身についた食習慣だ。
ソコをミゴトにフィーチャーしてコクのある醤油味が特徴の旭川ラーメンが再現されているトコロが素晴らしい。
 テレビのグルメ番組などでは北海道らしさを強調しようとするあまり、かの地の特産海鮮をテンコ盛りにしたラーメンをよく見受けるが、スープや麺の美味しさを正確にと受け止めようと思えば、肉やタマゴはおろかメンマさえも必要でないくらいシンプルに食してみたい。極端なハナシ、刻みネギだけでもその旨みを堪能できるものなのだから。
 余談ではあるが札幌の味噌、函館の塩そして旭川の醤油が全国テキに有名であるし確かに美味しいコトに間違いはないのだが、ダークホースとして“釧路の醤油ラーメン”を挙げておきたい。
炒めたヤサイと豚のひき肉、ラードで仕上げたコクのあるしょうゆ味はもう少しクローズアップされてもよいのでは…と以前から思っているのよ。


藤原製麺株式会社
http://www.fujiwara-seimen.co.jp/