（17）めちゃんこうみゃ〜『名古屋味噌だれ納豆』

きしめん・ういろう・えびふりゃ〜…ナゴヤの旨いもん筆頭なのだがハズしてならないのは味噌、中でも岡崎の“八丁味噌”はその風味と色が独特の調味料として名古屋の味を形成している。
名前の由来は八丁村で製造が盛んだったためとされているが、そもそも八丁とは岡崎城から西に八町（約872m）離れている村という単純な発想の命名が根源にある。
フツーの味噌は米麹を用いて発酵させるが、この八丁味噌は大豆だけで構成される豆味噌で濃い赤褐色と辛口がウリなのだ。味噌煮込みうどんやシジミ・アサリなどの赤だし味噌汁でその本領を発揮するが、甘みの少ない味噌なので上手に調味してやらないと塩辛いばかりでなくトゲトゲしい印象を与えてしまう。
納豆は醤油で調味するのが常識だろうが、その醤油のルーツである味噌を使うと云うのもアリなのよ。しかし敢えて八丁味噌をぶつけてくる冒険と、ソレを栃木県宇都宮市の納豆会社が企画した…というのがなんとも愉快ではないか。

お味はいたってマトモであり、醤油で味付けしたものに比べるとコクがあって美味しいものだ。もっと名古屋っぽくドロリとしたタレを想像していたが意外にサラリとしていて、きちんと和えてやらないと納豆のスキマからスリ抜けて落ちてしまうので注意が必要だ。
葱や生姜を刻んで納豆に加えこのタレで味付けしたものを油揚げに入れ、炙って食べたらどんなに美味しいだろう…と納豆料理の幅を拡げてくれるアイデアに乾杯なのね。