いったいどれだけのショートパスタが存在するのだろう。調べればカンタンに判るコトなのだろうが、知らない方が出会ったトキの感動もより大きいのではないだろうか…という言い訳でズボラしているボクなのだ。
フジッリは深い螺旋状のパスタでイタリアンのお店などではよく目にするが、この“ジッリ”というヤツは初対面だ。名前すら知らなかった…と云うのが正直なハナシである。
正式名称は「ジッリ・フィレンツェ」、花の都であるフィレンツェの名門・メディチ家の紋章を模ったモノと云われている。紋章のメインは百合の花(gigli=ジッリ)であり、その蕾を思わせるカタチがなんともエレガントなショートパスタなのだ。
表面には細かい溝があり複雑にネジれた構造のオカゲで、外側はやわらかく内側がもっちりすると云うデュアルテイストはちょっとホカに類を見ないパスタでもあり、どうしてもっと普及しないのか…というギモンさえ抱くコトになる。
昨日はコレを“かにトマトクリーム”で食してみた。例によって既製品のソースを利用したので少しだけテを加えて「いかにもプロっぽい」仕上がりを装ってみたのよ。
楕円形のミニトマトが近所の野菜センターで安く手に入ったのでタテ4ツ割にしてソースに加えた。自然の酸味と香りが既製品臭さみたいな部分を上手にカヴァーしてくれて「ざまーみろ」くらいにスバラシいソースに変身するのね。
アーリーレッドのスライスとルッコラをアクセントにして、食すトキにはレモンを絞ってやるとより全体の風味にコントラストがついていいだろう。あー、それと“お約束”のパルミジャーノ・レッジャーノのスライスもお忘れなく。
しまった〜、写真を撮るときレモンシャトーを添えるのを忘れちまったぜ…
ツルツルもっちり…いいねぇ、このパスタ♪
朝起きて窓を開けるといい香りが漂ってきた
キンモクセイの香り?
ベランダでタバコを一服なんてのは妙に無粋に思えてくる
ソレくらいステキな香りの風が心地よく通り過ぎてゆく
ドコにそんな樹があるのか…
気になりだすとじっとしていられなくなり、カメラを持ってソトへ
なんとシゴト場マンションの敷地内にソレはあった
高さは5〜6mはあろうかという金木犀の大木だ
どうして今まで気付かなかったのだろう
自分の鈍感さに呆れ、シオシオと部屋に引き返した
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