フツーにう宮ゃ〜!『富士宮焼そば』


昨日は一日中雨だった。朝から午前中は特にヒドい霧でかなり視界は悪く、いつも富士山が見える方向は20m程度までしか物体がはっきり見えない。おかげでシケシケムシムシ…すっかりエアコンの除湿機能のお世話になってしまった格好だ。
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コドモのおやつとしてだけでなく富士宮市民にとってはリッパな主食でもある焼そばは、頻繁に食すだけにアレコレ工夫をしてるのではなかろうか…と思われがちだが、意外にシンプルな食べ方をしている家庭が多いようだ。
観光客の多いお店などではヘンテコな具材でとても“富士宮焼そば”とは呼べないシロモノをヘーキで出していて、よくそんなマネが出来るものだと経営者や料理人のセンスや人格までも疑ってしまう。だいたいムカシからの地元の人間は焼そばにはキャベツ以外には例の“肉かす”しか入れないのだよ。「だからこそ」富士宮焼そばなのであって、あ〜したらもっと美味しくなるだろう、こ〜したら客が喜ぶ…などと云うヨケーなマネはしてもらいたくないのである。
家庭では「今日はリッチに豚コマ入れようね♪」とか「イカゲソが安かったしさ」あるいは「やっぱ干し桜海老のトッピングはサイコーっ!」と云ったお楽しみもあってよいとは思うが、ヨソの土地の方々はスタンダードな富士宮焼そばを求めてこの街にやってくるワケであり、外道な献立はたとえ選択肢であっても設けるべきではない。それが“文化”というものなのであり“プライド”なのだ。
強いコシや独特の風味の麺、そして高原の町ならではの特産キャベツの甘みと香り、ソコに加わる“蒲原のだし粉”の旨みと“地元伝統の肉かす”のコク…こうした要素が一体となって成立している『富士宮焼そば』にコレ以上いったいナニが必要なのだろう。
この日は肉かすさえ入れない焼そばを食したが、これだけでも存分に楽しめる逸品である。ただしミカチャンだけは外せないのよね〜