天丼かくあるべし その弐

クリスマスイブの食材買出しに出掛けたその日はちょうどヒル時に静岡市の中心部に到着した。ヨルは洋食系とキマっているので「やっぱりおヒルは和食だよな〜」とお店を探した。


いつもなら蕎麦屋にでも入っては“鴨南蛮せいろ”などにするワケだが、あいにく同行の母君はつい先日墓参りのついでに静岡市七間町にある老舗で“のっぺいうどん”を食したと云うし、ボクはボクで鰻蒲焼を楽しんだばかりであった。
う〜む、こんなものだろう。仕方がないのでイザという時は中華でもいいか…とソレらしきお店を探し始めたトキにパッと思いついたのは「天ぷらもいーじゃん♪」なのである。
ハナシは早いぜ、ソレならいーお店があるのよ…
前回行ったのは2008年の1月半ばだから、もう二年近く行っていなかったコトになるそのお店は、七間町“シネぷら通り”の『天文本店』さんで明治12年創業の老舗、鰻蒲焼と天ぷらがメインの名店だ。
暖簾をくぐると明るく清潔な店内にはゴマ油のいい香りが漂っていて「さぁ天ぷらを喰うぞ〜!」という強い決意に満ちて来る。そういえば以前に食したのは特製天丼だったなぁ…と思いつつ今回はフツーの天丼をお願いした。なんとなく夕食への配慮をしてしまった格好だ。
御主人がさっそくカウンター向かいに立ち、天ぷらを揚げ始めるとパチパチピチピチという心地よい音とともに一層強いゴマ油の香りが食欲をくすぐり始める。
間もなく運ばれてきた天丼には海老が二本に茄子・キス・板海苔そして桜エビのかき揚げまでが載せられていて上等ではないか。赤だしの味噌汁に香の物・サラダがついて¥1100、丼つゆのお味がカンペキなのは承知していたが今回食して改めてその塩梅の素晴らしさに感心したし、コレでこのお値段には単なる満足ではなく尊敬したくなるヨロコビがある。
この次はドンブリではなく“天ぷらご飯”にしようかな…と思う。いわゆる天ぷら定食なのであるが…




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Sora
帰り路は国道1号線をのんびりと…



2:37PM, December 24. 2009.