まさに“昔ながらの味” 静岡市清水・龍鳳の『ラーメン』

ラーメンを食べるために清水まで行ったワケではなくちゃんとベツの理由があったのだが、昼めし時ともなればハラは当然減るのであって「ドコか安くて美味いモンを…」という都合の良い希望をムネに目を皿のようにして道沿いの飲食店を選ぶのである。
静岡市清水の山間部は異常なくらい暑くて、いつもなら行き先でお店でも探しては食事をするところを、逃げるようにしてその場を立ち去った7月最終日の土曜日だった。

清水の中心部に向かえば食事をする処くらいいくらでもあるがハッと思いついたのは清水港に面した某食堂が安くてボリュームのあるサラリーマン向けランチで評判を呼んでいるコトを思い出し「お〜し、今日こそ行っちゃうもんね♪」とメガーヌを走らせるのだった。
リッパなバイパスができたのでめっきり交通量が減った北街道という旧道を懐かしく思いながら走っていると一軒の中華料理屋さんが見えてきた。通過しながらチラ見すると「大好評 日替わりランチ ラーメン+おかず一品+半ライス+お新香付 750円」という看板をメにしてしまったのだ。どうやら本日のオカズは“八宝菜”のようである。う〜むヤバい… すっかり港町食堂に行くつもりになっていたので即座に判断がつかず少し進んでしまったが、気になってシカタが無いのでUターンして引き返す。お店の外装も清潔なカンジでなかなかにヨサゲではないか、よしココに決定だ!と安易な変更もヘーキなエロおやぢなのである。
いくつか魅力テキなメニューはあったが、やはり基本のラーメンがドッキングした日替わりランチにするのが初心者の心得だ。オプションでギョーザもひと皿お願いして出来上がりを待つ。
メニューにはラーメン500円チャーハン650円ギョーザ400円などごく一般テキな中華料理屋さんの品書きが並んでいるが各種のコンビネーションメニューが得意らしくそのいずれもがお得感満載で、特に焼肉セット1050円などはミニラーメン&ライス付きというスペシャルさには(もうちいっとばかし若かったら絶対にコレだよな…)みたいな無念さがにじむ。

イジイジと未練がましくメニューを眺めていると料理が運ばれてきた。おぉ〜!コチラも先日静岡の松竹さんで食したラーメンのようにジツにコンサバティブな佇まいではないか♪ いいねぇ、やっぱりラーメンってのはコレなんだよな…とひと口スープをすすると本当に懐かしい“あの味”がするのであった。
流行りのトンコツ・魚粉・豚の背脂などといったものには無縁の世界はクリアであっさりとした風味、それでいて鶏ガラや海の干物の旨みが穏やかに同居する奥深い味だ。美味い!
麺は中細縮れ麺でカンペキなマッチング、脂の浮き加減がまたゼツミョーで泣かせてくれる。その他の具材も申し分なく、リアルな港町清水のラーメンがキッチリと守られている。素晴らしいではないか。
そして本日の日替わりオカズである八宝菜にはケチった気配など微塵もなく、プリプリとした大きな海老や肉厚で甘い紋甲イカなどが奢らた上、品の良い塩味で仕上げてある。ボリュームも充分でボクの平素の昼食ならコレひと皿とゴハンがあれば上等と思われる。

餃子はいかにも “ラーメン屋さんのギョーザ” といったカンジで柔らかでさっぱりしている野菜餃子タイプだ。餃子だけをガッツリ喰いたいというには不向きだが、他の肉料理の合間に食すには逆に結構な具合なのだな。静岡餃子らしくニラもたっぷり入っていてボクはこのテの餃子も大好きだ。
それにしてもあまりの美味しさに調子に乗って食べ過ぎた。帰りのクルマの中ではハラが苦しくて仕方がなかったが、しかし心地よい満足感があった。
   ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
昭和45年創業… 店主と思しき方はまだお若い方のようだったので先代から引き継がれた二代目といったところか。トレンドに流されずこうして伝統のお味を守ってゆくのは精神テキにも大変キツいとは思う。
だが、だからこそソレを支持するお客さんもついてくれているのだろうし、美味しい料理の本質は変えるべきではない…と断言したいのだ。


中華料理 龍 鳳
静岡市清水区天王南7-7
TEL=054-366-0540

地図




☆ もう少し近かったらなぁ… でもきっとまた行きますよ♪
部門別では首位に立ち皆さまに感謝しております、ありがとうございました。引き続きクリックで応援をお願いします!






街路樹のサルスベリと違ってコレはチカラ強いけど
なんだか、ぶわ〜っと暑苦しく感じてヤだなあ



Afternoon, August 01. 2010.